中小企業診断士の資格取得を検討している方にとって、気になるのは「本当に難しいのか?」という点。本記事では、合格率・勉強時間・偏差値といった客観的なデータに加え、他資格との比較や学習ルートごとの違いもふまえて診断士の難易度を徹底的に検証します。
さらに、「実はそこまで難しくない」と感じられる3つの視点も紹介。これから挑戦する方にとって、背中を押す内容を目指しました。
中小企業診断士の難易度は高い?他資格と比較
難しい順に並べるとこうなる
中小企業診断士は、司法試験や社会保険労務士(社労士)と比べればやや易しい一方で、行政書士や宅建、簿記2級よりは明らかに難易度が高いとされています。
難易度の感覚的な序列は以下の通りです: 司法試験 > 社労士 > 中小企業診断士 > 行政書士 > 宅建 > 簿記2級
勉強時間から見た資格の難易度
各資格の想定学習時間(資格スクール調査)
- 公認会計士:3,500時間
- 司法試験:3,000時間
- 社労士:800~1,000時間
- 中小企業診断士:1,000時間
- 行政書士:600~1,000時間
- FP1級:600時間
- 宅建:300~400時間
ただし、実際に合格した方の体感では、中小企業診断士は一次300時間+二次200時間で合計500時間程度という声も多く、スクール側の記載にはややバッファがある可能性があります。想定合格時間で合格できなかったら信頼にかかわりますからね。
実際の勉強時間の実例や、効率的な学習計画を知りたい方は、中小企業診断士の1次試験はどれくらい勉強すればいい?もあわせてご覧ください。
合格率から見る診断士試験の特徴
各資格の合格率(TAC様・アガルート様の情報を参考)
- 公認会計士:10%
- 司法試験:3~5%
- 中小企業診断士:4%(一次試験は約20%)
- 社労士:6~7%
- 行政書士:11~15%
- FP1級:13%
- 宅建:15~17%
注意点として、合格率は受験者の母集団のレベルに強く影響されます。診断士試験の4%は一見難しく見えますが、公認会計士や司法試験のような超上級スペックパーソンが集まる試験とは異なります。
偏差値で見る中小企業診断士の立ち位置
アガルート社が公開する資格偏差値一覧
- 偏差値68以上:司法試験、公認会計士
- 偏差値65~67:司法書士、弁理士など
- 偏差値60~64:中小企業診断士、社労士、行政書士、通関士など
診断士は偏差値60程度とされ、難関国家資格の中では中堅クラス。社会人経験のある受験者には比較的取り組みやすいと言えるでしょう。
中小企業診断士の難易度が“実は低い”3つの理由
1. 養成課程という“裏ルート”が存在する
診断士は2次試験をパスしなくても、国が認定した大学院・専門機関の養成課程(1~2年)を修了すれば資格が取得できます。費用は200~300万円と高額ですが、2次試験より遥かに通過しやすい点がポイント。
2. 科目合格制度で段階的に合格が可能
一次試験の7科目は、合格した科目が2年間有効となるため、働きながら複数年に分けてクリアすることが可能です。1年目3科目、2年目4科目など自分のペースで挑戦できます。
3. 社会人経験がそのまま強みになる
マーケティング、運営管理、IT、法務など、診断士試験では実務に即した出題が多く、社会人経験者にはアドバンテージがあります。逆に学生にとってはゼロベースからの戦いとなります。
まとめ:診断士は難しい?→「戦略次第で十分合格可能」
難関国家資格であることは間違いありませんが、「合格ルートの多様さ」「段階的な攻略法」「実務経験が活かせる出題内容」などを踏まえると、やり方次第で難易度は大きく下げられます。
数字だけに惑わされず、まずは一次試験の突破を目指し、自分に合った学習計画を立てましょう。
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