CSR・CSV・ESGと記事化してきましたが、このSDGsを理解しておけば、社会貢献活動ワード四天王をおさえることになります。
近年では、小学校や中学校でも授業としてSDGsという時間があるそう。
時代遅れにならないためのキャッチアップも大切ですよね。
この記事は、
SDGsってどういう変遷で生まれて来たんだろう?
SDGsはCSR活動等とはどう違うの?
と疑問に思われている方に読んで頂ければ嬉しいです。
SDGsが生まれるまで(MDGsからの変遷)
当記事は農林水産省のWebサイトを参考にしながら整理しております。
↓農林水産省のWebサイト
結論を言ってしまうと、SDGsは2000年、過去に制定された目標や指針等を国連が再定義し、図表の通り8つの開発目標を掲げた「Millennium Development Goals(MDGs)」を大幅に拡充したものです。
(画像は私が見てきた中でもっとも見やすい、ユニセフ様のHPより引用)
そして、SDGsは150国を超える国連加盟国が参加したサミット(2015年9月)において採択された「Sustainable Development Goals」の略称になります。
SDGsは2030年迄という期間が設定された開発目標であり、先進国だけではなく、全ての国を対象にしており、図表の通り持続的な社会を実現するためにグローバル共通の目標として17の達成目標(ゴール)が掲げられ、169の達成基準を示しています。
前述したMDGsもSDGs誕生までの変遷の1つではありますが、環境問題に対してはグローバル全体で対応するべきであるという気運の発生から、SDGsというグローバル共通の開発目標に至るまでには約50年もの年月を要しています。
この気運のトリガーがひかれたのは1972年、環境という分野では初の国際会議となる「国連人権環境会議」にて。
この「国連人権環境会議」で環境問題に対してはグローバル全体での取り組みが不可欠であるという「人間環境宣言」が採択されると共に、国際連合で「United Nations Environment Program(UNEP:国連連合環境計画)」が組織された事が、SDGs(MDGs)へと繋がる大きな流れの始まりとなりました。
1992年、国連環境開発会議(リオ地球サミット)において、現在のSDGsの行動に関する基本原則となる「リオ宣言」と「アジェンダ21」が採択。
1997年、日本で開催されたCOP3では京都議定書が採択され、機構温暖化対策に向けたグローバルな枠組みが強化されています。
その後、前述の通り2000年にMDGs(millennium Development Goals)が、2015年にはMDGsの発展版として生まれ、SDGsへと繋がっていくというのが大きな流れになります。
これらの大きな潮流の中、2016年2月、日本政府はSDGsを推進するための実施方針を制定し、
①普遍性(国内とグローバルの両面で取り組む事)
②包摂性(誰1人として取り残さず、個々人にフォーカスする事)
③参画型(誰か特定に人物や機関がやるのではなく、全員で取り組む事)
④統合性(経済・社会・環境の全ての分野において相乗効果を図りながら取り組む事)
⑤透明性と説明責任(評価した結果をディスクローズする事)
という5つの活動方針を定めました。
SDGsの達成目標の独自性・目新しさ
SDGsの達成目標は貧困・飢餓・環境問題からジェンダーまで想定されうる共通課題を網羅する形で設定されていると共に、「誰1人取り残さない」という事を強く宣言し、人々が人間らしく・持続的に生きていくための基盤を2030年までに達成する事を目標としています。
また、ODA(Official Development Assistance)に代表される一部機関の活動に留まったという指摘もされるMDGsに対し、
SDGsの達成目標は全ての民間企業を巻き込む形で推進されている事が特筆すべきことです。
皆様の働かれいる組織でもSDGs!SDGsになっていませんか?
それは全ての民間企業が対象と明確にされているからなんですね。
SDGsとCSR活動・CSV活動との関係性
SDGsの目標を達成するための活動とCSR活動、CSV活動は、
Social Goodを実現するという本質的な観点では類似点も多いです。
しかしながら、異なる点も勿論存在し、その違いについて簡単に触れておきます。
SDGsの目標を達成するための活動とCSR活動の違い
SDGsが目標の達成を通じて企業の利益を実現するとされている事に対し、CSRでは利益自体を目的としていない点が大きく異なります。
また、CSRでは社会的責任を果たすという観点で法令順守などが強調されている事も特徴として挙げられると考えます。
SDGsの目標を達成するための活動とCSV活動の違い
CSVでは経営課題の解決が重視されているがSDGsではより社会課題の目線も多く含まれている事が挙げられます。
イメージとすると、利益度外視・慈善的な視点が大きい順に「フィランソロピー活動>CSR活動>SDGs活動>CSV活動>利益活動」となると思われます。(ESGは投資であり、位相が異なるので含めず)
SDGs(17の達成目標)に対する懐疑的・反対的な考え方
どんな活動でも必ず反対する方はいらっしゃいますよね。
最後に、反対の立場からの論点を指摘しておきます。
SDGsに対しては
「掲げられた17の目標以外の活動が軽視されてしまうのではないか」
「グリーンウォッシュという言葉に代表されるように、実態を伴わないコミュニケーション手段として使われてしまうのではないか」
「2030年という期限が区切られている事もあり一種のブームとして終わってしまうのではないか」
等の指摘が今も続き、散在しています。
企業活動してはブームとして捉えられ、グリーンウォッシュとして非難されるリスクを避けるためにも、
新たな活動を始めると言うよりは、むしろ既存の事業活動や社会貢献活動をSDGsのフレームワークの中で再定義し、いかにステークホルダーとコミュニケーションを図るかと言う視点
が重要になると考える・
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