「どんでん返し小説50選」を書いておきながら、「どんでん返しってどういう意味?」と聞かれてドキッとした私。よく使っている言葉なのに、説明できない。そんな自分にモヤモヤしつつ、今回は「どんでん返し」という言葉の意味や由来、どんなときに使うのかを、ざっくり調べてまとめてみました。
言葉の背景を知っておくと、小説や映画をもっと楽しめる気がします。ぜひ気軽に読んでみてください。
「どんでん返し」とは?意味を簡単に解説
「どんでん返し」とは、物語や出来事の展開が予想外にひっくり返ること。読者や観客の予測を裏切るような、劇的な転換が起きる場面で使われます。
たとえば「このままいけばハッピーエンドかな」と思っていたら、最後の最後で衝撃の真実が明かされる……そんな展開がまさに「どんでん返し」です。サスペンスやミステリーの世界では定番の技法ですが、映画や現実のニュース、日常のやりとりでもよく使われる表現です。
ちなみに、昔『ねるとん紅鯨団』というテレビ番組で、うまくいきそうなカップルが最後にフラれたとき「だーいどんでん返し!」と叫ぶ場面がありました。あれも一種のどんでん返しですね。子どもながらに真似していた記憶があります。
「どんでん返し」の由来は歌舞伎だった?
個人的には、「ちゃぶ台返し」みたいな意味かと思っていましたが、どうやら違ったようです。
調べてみると、「どんでん返し」はもともと歌舞伎の舞台用語。「がらんどう返し」と呼ばれる装置が語源のようで、舞台の背景を一気に切り替える仕掛けのことを指していたそうです。
劇中でその仕掛けを使うときには、太鼓の「ドンドンドン…」という音が鳴らされ、それが転じて「どんでん返し」という言葉になったという説が有力とのこと。
つまり、「見えていたものが一気に別の景色になる」=「物語の展開が一変する」という意味につながっていったようです。面白いですよね。
ちなみに、あるカフェチェーン(昼はカフェ、夜はバー)では、夕方に照明を落としてメニューを変え、雰囲気を一気に切り替える作業を「どんでん返し」と呼んでいたという話も聞いたことがあります。言葉って、使われ方が広がっていくのも魅力です。
どんな場面で使われる?現代の「どんでん返し」使用例
「どんでん返し」は、もともとは演劇用語でしたが、今では小説・映画・ドラマ・政治・スポーツなど、さまざまな場面で使われています。
ミステリー小説であれば、『イニシエーション・ラブ』『十角館の殺人』『葉桜の季節に君を想うということ』などが代表例。
映画では、『シックス・センス』『君の名は。』『8ミニッツ』など、観終わった後に「そういうことだったのか!」と驚かされる作品がよく挙げられます。
さらには、アメリカ大統領選でトランプ氏が当選したときや、スポーツでの大逆転劇など、リアルな世界でも「まさかの展開」を表現するときに使われます。ちなみに、どんでん返しは「マイナスからプラス」だけでなく、「プラスから奈落へ」というネガティブ転換にも使える柔軟な表現です。
言い換え・類語にはどんなものがある?
「どんでん返し」を別の言葉で言い換えると、以下のような表現が近い意味になります。
- 逆転劇
- 大逆転
- サプライズ展開
- レボリューション(?)
ただし、どれも微妙にニュアンスが違います。「どんでん返し」には、ある程度の“予測ができていた流れ”が大きく裏切られる、という驚きの要素が含まれています。
なので、小説や映画を紹介する際は「どんでん返し」として紹介するのが、私は一番しっくりくる気がします。
まとめ:意味を知ってから読むと、もっと面白くなる
「どんでん返し」という言葉の意味や由来を知ることで、小説や映画の展開をより深く味わえるようになります。言葉の背景には、歌舞伎という日本の伝統文化があり、そこから現代のさまざまなシーンへと広がっていった歴史があるのも面白いですよね。
意味を知った上で「どんでん返し小説」を読むと、より鮮やかな驚きが味わえるはずです。
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