逆転ミワ子(藤崎翔著)
一見すると全く何の繋がりもない3〜5ページ程度のショートショートが次々と展開され、最後にその意図(仕掛け)が見えてくると言うあまり見たことの無い構成。本当によく思いつくな!と感心するとともに1つ1つの話が面白くて笑える。
個人的には妙に女性への興味を示す「座敷童」のくだりで爆笑してしまいました。藤崎さんの作品はエグい、グロい、痛い、が本当に少なく、弱っていても安心して読めるのが最高です!もちろん、どんでんがえしの具合もナイス。
神の悪手(芦沢央著)
帯にはどかんと「このどんでん返しが切なさすぎる」と書かれているこの1冊。将棋の世界をベースにした短編ミステリーです。
将棋を知らなくても大丈夫(知っていたら倍楽しめますが)、少し怖いものもあれば、現在の社会問題を炙り出すようなものもあれば、師匠と弟子の葛藤もあれば、様々な短編が楽しめます。帯にある「切ない」の意味は正直よくわかりませんでしたが「そう来たか!」は楽しめる1冊ですよ。
カササギ殺人事件(アンソニー・ホロヴィッツ著)
いわゆる作中作品のミステリー&どんでん返し小説。2018年にミステリー4冠を達成した超話題作です。アガサ・クリスティが好きな方ならたまらない1冊。私の読書X仲間でも絶賛の声が相次いでおりました。作者は構想だけで15年をかけたとのこと、海外ミステリー初挑戦の方も純粋に楽しめると思います!
毒(赤川次郎著)
ミステリーの入口と言えば昔は赤川次郎さんでした。今はどうなんだろう?私もとにかく三毛猫シリーズは読み漁った記憶があります。
たった1適で、しかもバレずに人を〇す事が出来る薬を題材にした短編集です。たった1適、しかも犯罪がばれない薬、怖いですよね。使いたくなりますよね?勿論、登場人物たちはこの薬を入手しようと狙い、次々と所有者も変わっていきます。さてどうなるかな。
邪馬台国はどこですか(鯨統一郎著)
短編集です。中でも邪馬台国はどこにあったか論争はまだ続いていますよね、近畿でも九州でもなく、ひょっとするとそこに邪馬台国があったかも知れないと思わせる「邪馬台国はどこですか」がダントツに面白い。
ブッダは悟っていなかった、聖徳太子の正体 などなど他の短編もかなりギリギリを攻めていますが、やっぱり表題作が秀逸。どんでん返し的に「場所」が示されますが、ひょっとしたらそこかもと思わせます。
あの日、君は何をした(まさきとしか著)
15年前の事件と、現在の事件がなんとも複雑に結びつき、新事実が浮かび上がってくる作品。
15年前、ある若者が警察に〇人犯として疑われ、気が動転して逃げた拍子に自動車事故に遭い亡くなってしまいます。溺愛する息子を亡くしてしまい絶望する母。
そして現在に時間が移り、新たな〇人事件が発生、全く関係性が無いと思われた15年前の事件と結びついてきます。どんでん返し好きだけではなく、イヤミスファンの方にもお勧めしたい1冊です。
犯人に告ぐ(雫井脩介著)
ミステリーというのか社会派サスペンスと言うのか、ボリュームはありますが徹夜で読んでしまう傑作。犯人を取り逃がしたことで左遷され、冷遇されてきた主人公。この主人公が過去の失敗を取り戻すべく、執念の『犯人狩り』を行います。
なめた態度をとる見えない犯人と少しずつ少しずつですが犯人を追い詰めていく主人公、そして(かなり有名な)あの一言「今夜は〇〇〇〇〇〇〇」でゾクゾクします。主人公の圧倒的な執念がめちゃくちゃかっこいい作品です!
アクロイド殺し(アガサクリスティ著)
イギリスの小さな町でおこった連続〇人。遺産が絡むややこしい事件に名探偵ポワロが挑みます。
ポワロと共に難事件の解決を目指すのが医者であるシェパード、一癖も二癖もあり、怪しさ満載のアクロイドを取り囲む一族や家政婦たち。大どんでん返し!ではありますが、過去にファミコンをやったことがある私の同世代である「あなた」は途中でオチが分かるかもしれません。
火車(宮部みゆき著)
借金(カードローン等)の恐さを徹底的に描いた「火車」は山本周五郎賞の受賞作。失踪した女性(彰子)を追う休職中の警察官の本間。
本間による捜査が進むに連れて普通の女性だと思っていた彰子の様々な事実を知り、ついには罪までを知ります。普通の幸せを願っていたはずの彰子、ほんの少しで始めた誤りが次から次へと新たな問題を引き起こし‥読み始めたら、徹夜必死の超大作ミステリー小説です。
ピース(樋口有介著)
埼玉の田舎で発生した連続●人事件。一人目の被害者は歯医者さん、二人目はスナックラザロのピアニスト。関連性が見いだせずに捜査が行き詰まる中、次の犠牲者が。
被害者の共通点は何?なぜ●されたのか。帯にあった「ヒントはタイトルとカバーにあり、それでも、結末は予測不可」その一文が全てを語りつくしている1冊です。
Rのつく月には気をつけよう(石持浅海著)
スタイリッシュでキュートな表紙イメージのままのミステリー短編集。それぞれの話に出てくる料理とお酒がとにかく美味しそうでお腹が減っては驚かされて、減っては驚かされての連続です。
Rのつく月には何に気を付けるのかな?
重力ピエロ(伊坂幸太郎著)
美しい家族(父・母・主人公・弟)を核とした伊坂幸太郎さんのミステリー小説。伊坂さんならではの洒脱な文章、絡み合う伏線、そしてラスト。全てにおいて大満足な作品。
住んでいる近くで発生する連続放火、その犯人を追いかける主人公と放火を予言するようなグラフィティアート作品。放火の規則性は何なのか、そもそも犯人は誰で何が目的なのか。眠れなくなる1冊です。
わたしを離さないで(カズオ・イシグロ著)
外の世界とは接触をすることができな学校で暮らす子供達。先生は授業をするだけではなく、生徒たちの生活を徹底的に監視します。連日のように実施されるメディカルチェック。この学校の目的は?先生の目的はなぜ子供たちはこのような暮らしをしているの?
わたしは展開が読めたのでサプライズ(どんでん返し)は感じませんが、自分自身がこの世界の主人公たちならどうするだろう と何度も考えました。
黒い仏(殊能将之著)
想定の斜め上をいくという意味でこちらのミステリー・どんでん返しジャンルにインしました。同じくこちらに記載したアルカトラズ幻想やタランティーノや‥そういうのが好きな方にははまるかも!
とにかく単なるミステリ作品とは一線を画します。過去に行くわ、現在に行くわ、翼で空を飛ぶわ、途中からはSF展開に。突然明らかにされるメインキャラの1人アントニオの正体にも大困惑(笑)。 ラストは推理と共に人類の存亡を賭けた闘いで締め括られる。 賛否両論ですが個人的には野心的でおもろーです。
どちらかが彼女を殺した(東野圭吾著)
読者に最後の推理をゆだねる、読者への挑戦状タイプのミステリー小説です。ストーリーも面白くて読みやすくてサクサクサクサク進んで行きますが‥私は犯人が分かりませんでした。(他の方のレビューを拝見すると文庫版ではヒントが削られ、やや難易度が上がっているようです。)
妹を〇したのは、「妹の元彼であるJ」か「妹の親友であるカヨコ」の2人に1人。 兄である主人公は復讐を誓い、自ら犯人探しを始めます。そこに絡んでくる警察官。さて真実は?犯人はどっち?
クリムゾンの迷宮(貴志祐介著)
目が覚めると、今まで見た事が無いような風景が広がっており、理由は分からないがとにかく謎解きをしなければならない!系のホラーミステリー小説です。
その環境は1人ではなく、他の人々と生死を賭けて競い合うバトルロワイアルでもあり‥ゲームが進む中で少しずつ明らかになる主催者の目的、色々な意味で変化していく参加者たち。 メイズランナーとバトルロワイヤルを組み合わせたような作品 (当作品が多分先) 何も考えずに楽しめます!
ルパンの消息(横山秀夫著)
高校時代に女教師である嶺舞子が校内で自ら命を絶ちます。その事件から15年後がたった今がこのミステリー小説の舞台。1つのタレコミで事件が動きはじます「あの事件はは生徒3人による殺〇事件である」と。
時効までの時間はたった24時間、 果たして、真相を見つけることができるのか?単なるどんでん返し・ミステリーではなく、実際の未解決事件である「三億円事件」とも絡みが。昭和の香りを感じながら、圧倒的な伏線回収。読みごたえもありますよ。
終着駅殺人事件(西村京太郎著)
高校卒業後に東京へ上京してきた男と女、総勢7人。久しぶりに故郷にみんなで帰ろうと旅に出ます。
上野発の夜行列車、再会を喜び、再開に涙するはずの旅が連続〇人の現場となり、次々と犠牲者が出ます。犯人はいったい何がも目的なのか?事件に関係なく、夜行列車は青森に向かって走り続けます。
まさにレジェンド of トレインミステリーの名に相応しい一冊。 動機や殺意のキッカケが最後の最後まで明かされず一気読みしました。寝台列車で軽く一杯をしながら読んだら最高だろうな
凶鳥の如き忌むもの(三津田 信三著)
ホラー小説かと構えて読み始めましたが、本格派のミステリー小説でした!
横溝正史さんや京極夏彦さんが好きな人にはたまらない1冊だろうな!私は「事件の場合分け」で挫折しましたが‥ロジカルな推理が好きな方にはガチでお勧めしたい一冊です。
残り全部バケーション(伊坂幸太郎著)
アウトローの溝口と岡田を中心とした短編繋がりまくり小説。
時間軸あっちへいきこっちへいきするので多少混乱はしますがさすがの伊坂幸太郎さん、伏線が次から次へと回収され、最後まで油断も安心もできません。ラッシュライフなどが好きな方におすすめのジェットコースター系どんでん返しです!
コメント