原作『イクサガミ』の中でも、“美しく、誇り高く、”儚い”存在――それが公家の守護神とも呼ばれた剣士、菊臣右京です。
雅な立ち振る舞い、静かな気品、誰よりも凛とした姿を持ちながら、通常より長く太い「野太刀」の使い手。読者の多くが「この男は最後まで残る」と信じたでしょう。しかし物語は、彼にあまりにも残酷な試練を与えます。
本記事では、右京の生い立ち、性格、奥義「菊帝」を含む技の特徴、主要バトル、そして衝撃的な最期までを原作に基づき丁寧に整理しました。
※この記事は原作の重大なネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
美しさの裏にある覚悟。誇りをかけた最後の一太刀。たとえ短い出番であっても、右京という人物が放つ光は読者の心に深く残り続けます。
菊臣右京とは?|外道を許さぬ矜持、圧倒的な美丈夫 “公家の守護神”
菊臣右京は、原作『イクサガミ』に登場する剣士の中で、公家を守護する特別な立場にあった人物です。端正な顔立ちと立ち振る舞いの美しさから、読者からの人気も非常に高いキャラクター。
戦場にあっても礼節を忘れず、他者への敬意を持ち、悪(外道)を嫌い、弱者に対しても自然と手を差し伸べる。「強さと優しさを同時に持つ男」として描かれています。
しかしその裏には、自身の生い立ちに対する責任を背負う“静かな覚悟”がありました。
右京の強さ|静かで気品ある剣、そして確かな実力
右京の戦闘スタイルは、愁二郎や響陣のように派手でもなく、無骨や幻刀斎のように狂気じみてもいません。
特徴は、
・美しく無駄のない立ち振る舞い
・落ち着いた構え
・太くて長い「野太刀」の使い手
攻守のバランスが非常に高く、乱戦でも単独戦でも崩れない“正統派の強さ”を持っています。
彼が本来なら後半まで残っても不思議ではない実力者であることは、作中の随所に描かれています。
右京の奥義|太刀道十八「乱菊」〜四十二「菊帝」
Netflixのドラマでは全く触れられることがありませんでしたが右京の象徴となるのが、「菊」をモチーフにした太刀道の数々です。
・十八番「乱菊」
・二十二番「菊玉」
・最終奥義、四十二番「菊帝」
これらはいずれも華麗でありながら実戦的な奥義で、右京の美しさと強さの両方を象徴する技です。
とくに「菊帝」は彼の最強奥義。相手の攻撃をいなしつつ、一瞬の機を見極めて“斬り上げる一撃”。右京の真価が最も現れる場面です。
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バトル|右京が魅せた“戦い”
圧倒的な存在感がありながら、原作内で右京の戦闘はほとんど描かれていません。三重・庄野宿へ向かう途中の2人組との戦い程度です。
しかしながら、読者に強烈なインパクトを残した理由は命を落とすことになる「イクサガミ天」の最大の見せ場である「無骨」戦です。
「外道は私が倒す」右京は太刀道の奥義をすべて使い、最後には最終奥義の菊帝も繰り出しますが、相手は狂気の塊の無骨、痛みを恐れず、技を全て真正面から受け止めます。
右京は善戦しながらも、最後は無骨の膂力に押し切られ、命を落とします。どちらが勝ったという明確な描写は無く、無骨が田んぼのあぜ道を歩きながら、誰かの首を投げすてるシーンは衝撃でした。
まさかの第1巻での脱落となりましたが、作者である今村翔吾さんは「相当な実力者であり、東京入りを果たせる可能性は十分にあった」とインタビューに応えられています。

よくある質問(Q&A)
Q. 菊臣右京は生き残りますか?
A. いいえ。小説イクサガミの第1巻「天」で無骨との戦いに敗れ、物語序盤で命を落とします。
Q. 右京は弱かったの?
A. 弱くありません。むしろ実力は高く、奥義も揃っていました。ただし無骨という“相手が悪すぎた”だけです。
Q. 右京の奥義「菊帝」はどんな技?
A. 右京最強の奥義で、「野太刀で敵を斬り上げる」技。無骨戦でも最後の切り札として使用されました。
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最後に
「外道は私が相手をします」
菊臣右京は、『イクサガミ』でもっとも美しく、もっとも儚い剣士です。
短い登場時間にも関わらず、彼の美しさ、誇り、最後の戦いは読者の心に深い余韻を残します。
本記事が、あなたの中にある右京像を少しでも鮮やかに照らす手助けとなれば幸いです。


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