私は、年間200冊の読書を20年以上つづけています。固くて重いイメージが歴史・時代小説にはありますが、決して全てが当てはまらず読みやすくて・ワクワクして・熱くなれるものもたくさんあります。
今回の記事では、
何か面白い歴史小説・時代小説はないかな?
気軽によめる歴史小説・時代小説を知りたいな?
と考えられている方に読んで頂ければ嬉しいです。
今回の記事では歴史小説・時代小説を区別せずに記事化させて頂いておりますのでご容赦ください。
塞王の楯(今村翔吾著)
直木賞受賞作の名に恥じぬ、激熱の一冊(興奮が醒めません)でした。
意地と意地、プライドとプライドが最初から最後まで激しくぶつかり合います。矛側は「全てを破壊する大砲(攻)」を追求した国友衆、対する楯側は「決して破られない石垣づくり(守)」に特化した穴太衆、矛側には「無双」で慕われる立花宗茂が、対する楯側には「人徳」で慕われる京極高次が存在。
雨でも打て、遠距離から全てをぶち壊す大砲が勝つか、自由自在に姿を変える鉄壁の石垣が最後には勝つのか、お互いを認め合う職人同士の熱すぎる闘いを一気読みでした。
光秀の定理(垣根涼介著)
若輩の兵法者である新九郎、博打僧の愚息と出会った若き日の光秀は、成長した後も彼等と交流を続けます。
信長の部下として長光寺攻めを命じられ、絶体絶命な状態に追い詰められ、1つの道を選択しなくてはならない光秀。その時、愚息の博打で教えられた「4つのお椀」(米国で話題となったモンティーホール問題)の話を思い出します。どうやって道を選ぶのか?純粋にワクワクする時代小説です。
八本目の槍(今村翔吾著)
秀吉の部下として功を挙げた賤ヶ岳七本槍(7人) 、特に加藤清正などが有名ですね。
こちらの小説は七本槍1人1人の生きざまを短編で辿る小説です。そして「八本目の槍」、これこそが当該小説の主人公である石田三成になります。
七本槍と石田三成との友情・確執を通して石田三成という稀代の傑物像を明らかにしていきます。関ヶ原の戦いの敗者であり、堅物で面白みのない男と思われがちですが‥彼が全ての仲間から嫌われようとも、
一路(浅田次郎著)
個人的には浅田次郎さんの最高傑作であり、超ド級のエンターテインメント時代小説です。
失火の責任を問われ、不可能だと思われるスケジュールでの参勤交代を命じられた御殿様と主人公一行。中山道を江戸へ江戸へと向かう差配人の「蒔坂左京大夫」は、次々と難題に見舞われます。
中山道に存在する難所の数々、大雪などの自然との闘い、参勤交代途中の差し合い、御殿様の病気など一時も気を抜けず、緊張が続く旅路。最初は頼りなかった一行が、旅を重ねる中で成長を重ねる姿に涙。とにかく面白い!くどいですが最高の作品です。
かんじき飛脚(山本一力著)
石川県(加賀藩)の危機を救うため、地面も体も凍りつく真冬に「金沢」から「江戸」を走りぬける飛脚達のものがたり!予期せぬ さまざまな困難や妨害に合いながらも、人を助けながら、敵と対峙しながら‥ひたすら痛快としか言えない時代小説でした!
山本一力さんは「あかね空」以来でしたが本当に楽しかったわ〜みんな~走れ〜走れ~
梟の城(司馬遼太郎著)
太閤秀吉の『首』をつけ狙う忍者の話。とにかく設定自体もワクワクするし、関西人として毎日のように大阪城を眺めて来た私にとっては鼻血を我慢するのが大変な1冊。
凄腕の忍者 対 凄腕の忍者 のバトルも厨二病をくすぐって止まらない。名台詞『よい面の皮であった』の一文を読むために何度もリピートしてしまいます。
あかね空(山本一力著)
豆腐職人とその家族を主人公に描かれた小説。とにかく読みやすく、その不器用なキャラクターと人情に涙がにじみ、後味スッキリでジワーと胸が熱く。とにかくほんわかした気持ちになりたい方には気合を入れておすすめします。
この作品はシリーズになっても楽しいだろうな。家族の絆さえ揺るがなければ、必ずやり直せる!
義経じゃないほうの源平合戦(白蔵盈太著)
頼朝の弟、義経の兄である『源範頼』が主人公になっている点が斬新。
兄に怯えながら、弟の振る舞いに羨望と不安を覚える範頼に与えられた仕事は平家討伐の総大将。 徐々に距離が離れていく頼朝と義経の関係性が範頼の目を通じて描かれています!途中の1文「虎(義経)には虎の役割があり、竜(範頼)には竜の役割がある」。
真田三代(火坂雅志著)
真田一族の中では、真田幸村がもっとも有名かも知れませんが父親・兄弟、みんなが魅力的でたまらないです。
一族の地を継承させる事をプライオリティファーストで徹底的に重視する真田家の教え。そのためには手段も選ばず、身内でさえも犠牲にします。卑怯にも賢しくも感じますが、戦国時代においては1つの選択肢だろうと感じます。そして、ゲリラ戦や奇襲の圧倒的な強さ、強きに屈しない精神力
燃えよ剣(司馬遼太郎著)
佐幕派と倒幕派が対立する幕末の激動期。近藤勇の右腕として鬼としておそれられた新選組副長 土方歳三。
これほどまに純粋な人はいるでしょうか?薩長同盟の成立で勝ち目のない討幕の時流、その中で最後まで諦めず、京都から会津、そして北海道へ。男の散り際の美しさを、残酷ですが爽やかに描いた小説
『幸村を討て』 今村翔吾著
今村翔吾さんからは2冊目のインになります。そして歴史小説・時代小説として今、もっともお勧めしたい一冊。
徳川家康の視点から「真田丸の戦い」を描き、その後も織田有楽斎、後藤又兵衛など様々な視点から「真田丸の戦い」そして「真田幸村」を描いています。
本当に雑学ですが、今でも大阪府中央区玉造の商店街(真田山近く)は六文銭の旗がなびいています
真田山を見に行った帰り道に撮影!
1冊目で紹介した「石田三成」の炙り出し方もそうですが、様々な人物の目を通して特定の1人にフォーカスしていく描き方が本当に凄い。この1冊を読んで、更に幸村を好きになる人も、逆に苦手になる人も、様々かと思いますが
坂の上の雲(司馬遼太郎著)
やっぱり歴史小説となると司馬遼太郎さんが次々と登場してしまいます。
日露戦争を勝利に導いた秋山好古・真之兄弟を主人公にした、魂の日本を感じられる一冊。何度聞いても「天気晴朗なれども波高し」という一文は震える。
利休にたずねよ( 山本兼一著)
別の記事でも紹介させて頂きましたが「日本式」・「和の香り」が漂う世界観と美意識が終始圧倒的。
優秀すぎると権力者からは疎まれるのは今の世も一緒ですね。もう少しだけ器用に生きてくれていたら‥余韻が長引く小説です。
楠木正成(北方謙三著)
壮大な思想をもったヒーローでもなく、関西の英雄でもなく、ましてやとてつもない人格者でもなく。
楠木正成をただただ「物流」を営む事で富を得ようとする悪党として書かれていて面白く、 メインストリームにいる所謂スターに対して奇策を駆使しながら戦うスタイルがめちゃくちゃ好きです。(真田幸村も好き)
太閤記(司馬遼太郎著)
大阪生まれ大阪育ちの私にとってはたまらない小説。
長い日本の歴史においても“人たらし”では右に出る者はない『豊臣秀吉』が主人公です。(関西人の中では今でも太閤さんと呼ばれて親しまれています)。生来の人たらし術で天下統一を果たす秀吉の叙事詩・歴史長編。
低い身分から成りあがるその姿はいつ読んでもロマンがありますね!
最後に
他にも色々な角度から「おすすめ小説」を書いておりますので是非ご覧ください。
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