どんでん返し小説とは、物語の終盤に読者の予想を裏切る“驚きの展開”が待ち受ける小説のことです。
驚愕のラストや巧みな伏線回収が魅力で、最後の1ページで“すべてがひっくり返る”ような衝撃を味わえます。
本記事では、ミステリー初心者から上級者まで楽しめる、読後に「やられた!」と唸る傑作どんでん返し小説を、ジャンル別に厳選してご紹介します。ネタバレ厳禁で記事化しているのでご安心ください。
椅子から転げ落ちかけた「どんでん返し」
“読者の足を引っかけて転ばせてくる”ような衝撃展開。終盤のたった1行で世界がひっくり返る、そんな「最後の一撃系」や「構造系トリック」の名作を厳選しました。「まさか!」が止まらず、気づけば冒頭に戻って読み直してしまう――そんな至福の読書体験を!
方舟(夕木春央著)
閉所恐怖症の方は要注意。
2022年に読書好きの間で話題となり、大絶賛されたどんでん返しミステリー。山中で見つけた謎の地下建造物に迷い込んだ若者たち。水没の危機が迫る密室の建造物の中で殺人事件が起き、犯人探しと脱出劇が始まります。
誰が犯人で、生き残るのは誰か。そして、最後に待つ衝撃の一撃。息が詰まりそうな極限状況と意外な結末が忘れられない、現代版クローズドサークルの注目作。
十戒(夕木春央著)
『方舟』で話題を呼んだ著者による、まったく新たなクローズド・サークル・ミステリー。
舞台は外部と隔絶された孤島。そこでは、登場人物たちが従うべき「十戒」という謎めいたルールが存在する。その中には「犯人を探してはならない」という制約も。緻密な論理と、意外な展開が交錯し、最後には驚きのどんでん返しが待っている。読後にアクセスできる公式ネタバレサイトの仕掛けもユニークで、読書体験をさらに深めてくれます。
イニシエーションラブ( 乾くるみ著)
昭和のレコードのように「A面」と「B面」に分かれた、ノスタルジックな青春恋愛小説。
恋の喜びや切なさを共感しながら読み進めていると、ラストで世界が一変。視点のトリックと時系列の仕掛けが見事にハマり、思わず冒頭に戻りたくなる構成です。エグさはなく、爽やかに読了できるのも魅力。帯にある「必ず2度読みしたくなる」は伊達じゃない、巧妙などんでん返し小説。2回目読むと、「そういうことか」の連続です。
最後のトリック(深水 黎一郎著)
「犯人は私であり、犯人は今この本を読んでいるあなたです。」という冒頭の一文に、思わず戸惑いを覚える作品。
だが読み進めるうちに、その意味が徐々に明かされていく。本作を読了した者は、誰もが“共犯者”となる──そんな構造そのものが大胆な仕掛けになっている。読者との関係性をテーマにした異色の本格ミステリーであり、終盤には「こんなトリックがあったのか」と驚かされること必至。ミステリーの可能性を広げた、まさに最後のトリック。
ハサミ男( 殊能将之著)
女性ばかりを狙う連続殺人犯“ハサミ男”。物語は、彼の視点で進んでいく……かのように見えます。が、ページをめくる手を止めた瞬間、すべてが反転する。
読者は最初から「ある思い込み」に囚われており、それこそが作者の仕掛けた壮大な罠。ネタバレ厳禁、読後に全てがまったく違って見えるタイプの“正統派どんでん返しミステリー”です。
小説だからこそ味わえる仕掛けと読後の衝撃が魅力の、名作中の名作です。
十二人の手紙(井上ひさし著)
最初から最後まで、ひたすら「手紙」だけで構成された短編集。
個性の強い12人の登場人物が、それぞれの思いを綴った手紙を通して語られ、読み進めるうちに物語の輪郭がじわじわと浮かび上がってきます。
紙という形式の妙を存分に活かした構成で、最後には意外性のある大きなどんでん返しが待ち受けている。派手さはないが読後に深く印象が残る、隠れた名作ミステリー。誰かに勧めたくなる一冊。
葉桜の季節にきみを想うということ( 歌野晶午著)
ハードボイルドな雰囲気で進む物語は、中盤からじわじわと違和感をにじませはじめます。
タイトルの意味がずっと気にかかる中、物語はそろそろ終盤に──と思ったその瞬間、圧倒的などんでん返しが待っている。嫌な驚きではなく、読後は「完全にやられた」と心地よい脱力感に包まれる。
ミステリー読者の間でもトップクラスの評価を誇る作品で、多くの人が「人生ベスト級」と推すのも納得。どんでん返し系ミステリーの入門にも最適で、初心者から上級者まで強くおすすめできる一冊。

世界でいちばん透きとおった物語(杉井光著)
「紙の本」で読むことに意味がある──そんな“物語構造のトリック”で話題になった異色作。
2023年頃にSNSで爆発的に拡散され、「読後にもう一度最初から読みたくなる」と話題に。
終盤でトリックの正体が一気に明らかに。まさに“透きとおった”という表現がぴったりな読後感に包まれます。
トリックだけでなく、文章構成そのものが巧妙で、紙で本を読むということの奥深さを再認識させてくれる作品。電子書籍では体験できない仕掛けの妙が光る、“紙で読むべき”どんでん返し小説。

噂( 荻原浩著)
女子高生の間で広がる都市伝説、「黒いワンピースの女」が殺人事件と結びついたとき、物語は思わぬ方向へ加速していきます。
軽快な文体とテンポで進むストーリーですが、最後の「ほんの数文字」で全てが覆る衝撃!「最後の一撃」系どんでん返しとしては最強クラス。読了後に即座に最初へ戻って確認したくなる構成が見事です。重苦しくないけれど、油断してると足元をすくわれる一冊。サクッと読めてズシンと残る、まさに名作です。
medium 霊媒探偵城塚翡翠(相沢沙呼著)
ミステリー5冠に輝いた話題作!霊媒師・城塚翡翠と、作家・香月史郎がタッグを組み、次々と起こる不可解な事件に挑む“本格ミステリー×霊能力”のハイブリッド作品です。
途中に差し込まれる妙に不気味な描写が、読み手に不穏な予感を与えながらも、物語の軸は王道の謎解き。そのまま読み進めていくと、すべての伏線が終盤で一気に回収され、「そう来たか!」と唸る展開に。なぜ5冠を獲得したのか――その理由はラストで明かされます。読後感は爽快、ミステリー好きに強くおすすめ!
名探偵に薔薇を(城平京著)
おとぎ話のようで、どこか不気味。読み始めたら抜け出せない、異色のどんでん返しミステリー。
帯に書かれた「必ず第2部まで読んでください」の文言に導かれ、衝動買いした人も多い本作。謎の毒物「小人地獄(こびとじごく)」は、証拠が一切残らないという恐るべき毒──赤川次郎の名作『毒』を思わせつつも、どんでん返しの衝撃度はこちらが数段上です。毒物のえぐさ、見立て殺人、おとぎ話のような舞台設定、そして2転3転するストーリー展開。読み進めるうちに、物語の構造がまるごとひっくり返ります。
最後に明かされるタイトルの意味にも、きっと唸るはず。王道の本格ミステリーにして、どんでん返し小説の代表作。未読なら迷わず手に取ってください。
六人の嘘つきな大学生( 浅倉秋成著)
就活をテーマにした異色のミステリー。大手IT企業の最終選考に残ったのは、個性も価値観も異なる六人の大学生。だが、最終選考で課されたのは“自分たちでひとりを選び、残りは落とす”という異例の形式。やがてメンバーの秘密が暴かれ、疑心暗鬼が広がっていきます。
物語は「裏の裏のそのまた裏」と呼ぶべき展開を重ね、何度もひっくり返るどんでん返しの応酬。心理戦、情報戦、そして思い込みへの挑戦が読者を試してきます。
驚きに満ちた構成ながら、最後は意外にも爽やかな読後感が残る点も魅力。現代の若者像をリアルに描きつつ、エンタメとしても完成度の高い一冊です。
明治断頭台(山田風太郎著)
明治維新の動乱期を舞台に繰り広げられる、全11編の連作短編集。主人公は司法省中級官僚・川路と香月、そしてフランス人霊能力者・エスメラルダ。彼らが関与する事件には、西郷隆盛・岩倉具視・内村鑑三・福沢諭吉など、実在の歴史的人物たちが次々と登場し、フィクションと史実が絶妙に絡み合います。
各話は独立して読めるものの、読み進めるほどに全体の謎が立ち上がり、最後には「こう来たか!」という驚きの大団円が待っています。いわゆる“歴史ミステリー”の枠を大きく超えた、どんでん返しの快作。
もっと評価されてほしい隠れた名作で、アマゾン★4.2、ブックライブ★4.6の高評価も納得の一冊です。時代小説ファンにもおすすめ!

弁護側の証人(小泉喜美子著)
「やられた!」と声が出る、上質などんでん返し。刑務所で面会する夫婦の会話から始まり、妻の語りで物語は静かに、しかし確実に張り詰めていきます。
元ストリッパーの主人公は、資産家の男性と結婚するも嫁ぎ先で孤立し、やがて義父が何者かに殺害される事件が発生。彼女の無実を信じ、旧友の紹介で雇った敏腕弁護士と裁判に挑むのですが——。
過去と現在が交差しながら進む構成、丁寧に張られた伏線、すべてが終盤でひっくり返る見事な展開。読者が身構えていても見抜けない「最後の一手」に震えます。小泉喜美子さんの傑作です。
誘拐の日(チョンヘヨン著)
韓国発の傑作どんでん返しミステリー。
娘の手術代を工面するため、元妻と手を組んで大富豪の娘を誘拐した元作家の男。しかし、その同日に娘の両親が何者かによって〇されてしまうという衝撃の展開から物語は加速します。誘拐犯のはずが事件の渦中に巻き込まれ、真相に迫る役回りに。韓国社会の格差や家庭事情も背景にあり、『パラサイト』を彷彿とさせる空気感も印象的。予想を次々に裏切る展開と、登場人物たちの人間臭さが心を揺さぶります。
結末まで「まさか!」の連続で、韓流小説の魅力がぎゅっと詰まった一冊です。
リバース(湊かなえ著)
ある事故死をきっかけに、10年前の出来事をめぐる“静かな闇”がじわじわと明かされていきます。
親友・広沢が亡くなった冬山旅行。その真相に迫る中で、主人公の深瀬に届いた「人殺し」という告発文。彼は広沢の死の真相を求めて、仲間たちに再び会いに行く——。
湊作品らしく、人間関係のもつれや心の奥底に潜む葛藤が丁寧に描かれつつ、ラストに明かされる“死の真因”は驚きと共に深い余韻を残します。湊かなえの“嫌ミス”の真骨頂にして、どんでん返し小説としても記憶に残る一冊。
イヤミス・サイコ・衝撃系まとめ
後味の悪さ、狂気の描写、衝撃のラスト──三拍子そろった強烈な一冊を揃えました。
「やられた…」と唸りたくなる、どんでん返し好き必見のカテゴリです。
連続殺人鬼カエル男(中山七里著)
残酷描写が多く、読む人を選ぶ一冊。だがその衝撃に見合うだけの展開が待っています。
物語は、マンションに吊るされた遺体と「カエル男」の不気味なメモから始まる。そこから残虐な手口の連続殺人事件が発生し、犯人はある一定の“ルール”に従って犯行を重ねて…。
やがて警察は共通点を掴み、証拠もそろい、犯人も自供。ここで終わるかと思いきや、物語はここから本番。予想外の展開がいくつも転がり出す。グロテスクとサスペンス、どんでん返しの妙が光る一冊。
ルビンの壺が割れた(宿野かほる著)
わずか数時間で読める短さながら、強烈などんでん返しが待ち受ける一冊。
物語はSNSを通じた元恋人同士のやりとりのみで進行する。30年ぶりに再会した二人が、当時の思い出を語り合い、次第に温かい空気が流れ始めるが、会話の中に少しずつ違和感が積み重なっていきます。
そしてラスト、読者の予想を大きく裏切る衝撃の真相が明かされる。短いながらも緻密に構成されており、通勤時間などにもぴったり。時間対効果の高い、印象に残るどんでん返し小説。

魍魎の匣(京極夏彦著)
京極夏彦作品の代表格とも言える超大作ミステリー。行方不明になった少女、謎の宗教施設、バラバラに見える事件群が、圧倒的な筆致で結びついていく様は圧巻です。
この作品が醸し出す異様な雰囲気、登場人物たちの狂気、そして何より“あの施設”の存在理由には言葉を失います。どれだけ想像を巡らせても、その正体を見抜くのは極めて困難。読了後の衝撃は計り知れません。
上下巻級のボリュームながら、その密度と完成度は読む価値あり。京極作品を初めて読む方にはややハードルが高めかもしれませんが、挑戦する価値は十分です。どんでん返しの概念すら超えてくる、まさに怪作。
向日葵の咲かない夏(道尾秀介著)
読後に感じる「後味の悪さ」は、イヤミス界でもトップクラス。ホラーでもあり、ミステリーでもあり、そして驚愕のどんでん返しを秘めた異色作です。
夏休み、失踪したクラスメイトの捜索をきっかけに、主人公はとある“再会”を果たしますが、そこから始まる展開は想像のはるか斜め上。読んでいて嫌悪感さえ覚える描写もありますが、それ以上に引き込まれ、忘れられなくなる。イヤミス好きにはたまらない、強烈な印象を残す一冊です。
隣はシリアルキラー(中山七里著)
会社の寮で暮らす主人公の隣室から、夜な夜な聞こえてくる不穏な物音。
何かを切断するような音や袋を詰めるような音が続き、得体の知れない隣人の存在に徐々に追い詰められていく。不眠に陥る中、近隣では連続猟奇事件が発生。冷淡な刑事と情に厚い刑事、頼れる先輩や気になる同僚など、周囲の人々との関係も緊張感を高める。
シリアルキラーをめぐるサイコパスミステリーでありながら、最後には驚きの展開が待つ。中山七里作品の中では比較的マイルドな描写で、読みやすい一冊。

殺戮にいたる病(我孫子武丸著)
我孫子作品にハマるきっかけとなる読者も多い、衝撃的などんでん返し小説。
東京で次々と起こる猟奇殺人、その凶悪犯・蒲生稔の内面が淡々と描かれていくことで、読者は徐々に深い闇に引き込まれます。物語の構成が巧妙で、読後には「してやられた」と呆然とすること間違いなし。ホラーとして語られることもありますが、どんでん返し好きにも刺さる名作。グロ描写が多いため、苦手な方は要注意ですが、耐性がある方には自信を持っておすすめできる一冊です。
あの日、君は何をした(まさきとしか著)
15年前の悲劇と現在の事件が交差する、緻密などんでん返しミステリー。
かつて殺人犯と疑われ逃走中に命を落とした少年。その母親の悲しみが癒えぬまま時が流れ、現在起きた殺人事件が当時の出来事と不気味な符合を見せはじめます。無関係に見えた2つの事件が徐々に結びつき、真相が見えたとき、胸が締めつけられるような感情が残ります。切なさ、怒り、後悔…読後に複雑な余韻を残す、イヤミス好きにも刺さる一冊です。
レモンと殺人鬼(くわがきあゆ著)
第21回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作ということで、注目せざるをえない一冊。
タイトルからは想像しがたい、二転三転、いや四転五転する怒涛の展開に、読み手は次第に翻弄されていきます。テンポのよい描写と、計算し尽くされた構成は、作者の確かな技量を感じさせます。どんでん返しマニアとしてはラストに「もうひと押し」を欲したくなるかもしれませんが、それでも高水準でまとまった傑作。緊張と興奮が詰まった、新世代ミステリーを味わいたい方におすすめ!

現実をえぐる社会派ミステリー
警察、報道、医療、家庭…それぞれの正義が交錯するとき、思いがけない真実が浮かび上がる。
読み進めるうちに、自分の価値観も少し揺らぐかもしれません。
野良犬の値段(百田尚樹著)
放送作家としても知られる百田尚樹が描く、社会派ミステリーの傑作。誘拐されたのはなんとホームレスたち。誰が、なぜ彼らを狙ったのか。報道は事件を面白おかしく取り上げ、世論は加熱、警察は混乱していきます。
本作の魅力は、マスコミ、警察、犯人、そして被害者――それぞれに「正義」が存在。それぞれの立場で繰り広げられる人間模様がリアルで、読む者の倫理観を揺さぶります。
著者のテレビ業界での経験が反映された緊迫感のある描写や、予測不可能などんでん返しが次々と展開され、最後まで緊張感が持続。エンタメとしても社会派小説としても秀逸な一冊です。
犯人に告ぐ(雫井脩介著)
テレビを舞台にした異色の捜査劇が展開される社会派ミステリー。
過去の捜査ミスで左遷された刑事・巻島は、連続児童殺害事件の真相を追うため“犯人に告ぐ”という前代未聞のTV公開捜査に挑みます。姿なき犯人との心理戦、メディアを巻き込む駆け引き、そして「今夜は〇〇〇〇〇〇〇」の名セリフにゾクリ。刑事としての執念が滲み出る姿に胸が熱くなります。社会の闇にも鋭く切り込む、読み応え抜群のサスペンスです。
火車(宮部みゆき著)
失踪した婚約者の代わりに、女性・彰子を探し始めた休職中の刑事・本間。
調査が進むにつれ、彰子の素性には次々と謎が浮かび上がってきます。普通のOLだったはずが、借金、偽名、そして罪…。カードローン地獄に堕ちた現代の闇をリアルに描き出し、読者に「お金の怖さ」と「正体の見えなさ」を突きつける衝撃作。ミステリーとしても人間ドラマとしても超一級で、宮部作品の中でも「傑作」との呼び声高し。読み始めたら止まらず、夜を越える覚悟が必要です。
チーム・バチスタの栄光(海堂尊著)
成功率100%を誇る心臓手術チーム「バチスタ班」で連続手術死が発生。真相解明に挑むのは、医療に疎いのんびり系医師・田口と、破天荒で毒舌な官僚・白鳥の凸凹コンビ。
聞き取り中心に進む調査はユーモラスでテンポよく、それでいてスリリング。物語は徐々に核心へ迫り、最後に明かされる犯人の正体には驚かされます。医療ミステリーの金字塔として多くの読者に愛される、爽快で知的なエンタメ作品。
カエルの楽園(百田尚樹著)
著者が「最高傑作」と自負する寓話形式の政治風刺小説。平和な楽園「ナパージュ」に迷い込んだ2匹のカエル。そこは「信じろ・争うな・力を持つな」という戒律と“謝りソング”を重んじる不思議な国でした。
けれども、周囲にはスパイ活動や侵略を企む異種のカエルたちが潜み、国を守ってくれていた鳥もついに去ってしまう——。寓話ながら、日本の現実と重ねて読むと背筋が寒くなる展開が続きます。読み終わる頃にはこれはホラーなのかも?と感じてしまう、異色の寓話です。
白ゆき姫殺人事件(湊かなえ)
SNS時代の本質を鋭く突いた社会派ミステリー。
美人社員が殺害され、事件を追う週刊誌記者・赤星が関係者へ取材を進める中、少しずつ浮かび上がる“真実”。しかし、登場人物たちは皆、少しずつ話を盛ったり、削ったり。語り手によって事実が微妙にズレていく構成が秀逸で、読者も次第に何が真実か分からなくなっていきます。
ミステリー初心者や活字に苦手意識がある方でも、テンポよく楽しめる内容。噓と本音、加害と被害の境界が曖昧になる“現代の魔女狩り”的な怖さも体感できます。
ルパンの消息(横山秀夫著)
高校で起きた女教師の自殺事件から15年。時効寸前のある日、「あれは自殺じゃなく、生徒3人による殺人だった」との密告電話が。真相究明のタイムリミットは24時間。刑事たちは真相を追い、当時の関係者に迫ります。
舞台は昭和末期。物語はやがて、未解決事件として名高い“三億円事件”とも交差し始め、読者をさらに深みへと引き込みます。社会派ミステリーの重厚さと、横山作品らしい人間ドラマ。そして、最後に明かされる意外すぎる真実。伏線回収も見事で、一気読み必至の傑作です。
密室×孤立サスペンス
映画やドラマのような緊張感、ぎゅっと閉ざされた空間で巻き起こる予測不能な事件!
「この中に犯人がいる」そんな状況での疑心暗鬼や心理ゲームがクセになる、密室ミステリーを厳選しました。映像化作品も多く、初心者にもおすすめのドキドキ系ラインナップです。
扉は閉ざされたまま(石持浅海著)
コロンボや古畑任三郎のように“犯人が最初から明かされている”倒叙型ミステリー。
学生時代の仲間が集まる同窓会、そこで殺人を決行した犯人は、ある理由から“扉を開けさせない”ことで事件の発覚を遅らせようとします。舞台は完全なクローズドサークル。密室を維持し続けるために犯人が講じる小細工の数々と、それに違和感を覚える仲間のひとりとの静かな駆け引きが見どころです。論理と論理のぶつかり合い、そして迎える意外なラスト。緻密な心理戦を堪能できる1冊です。
ファラオの密室(白川尚史著)
第22回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。
舞台はエジプト、ピラミッド内部という異色のロケーションで展開する密室ミステリー。ややファンタジー寄りの要素もあり、好みは分かれるかもしれませんが、謎解きの精度と構成の緻密さは本格派。
ピラミッド内部で忽然と姿を消したミイラ、密室に持ち込まれたはずの軟弱な石材の謎など、次々に立ちはだかる謎が読者を惹きつける。どんでん返しが連続し、読んでいて思わず唸らされる展開が続く。クセになる新感覚ミステリー。
ある閉ざされた雪の山荘で(東野圭吾著)
雪深い山中のペンションに集められた7人の若き役者たち。彼らは、ある劇団のオーディションに合格したという理由で招かれたはず。しかし、次第に仲間が1人、また1人と姿を消していく──これは本当に芝居なのか、それとも現実に起きている事件なのか?
「全員が容疑者」という緊迫した設定と、疑心暗鬼がどこまでも膨らむシチュエーションが、読者をぐいぐいと引き込んでいきます。読みやすさとスピード感も魅力で、最後に待つ“ひとひねり”がしっかり効いたどんでん返し。
東野圭吾ファンならずとも満足できる、密室×劇中劇ミステリーの秀作です。

アリアドネの声(井上真偽著)
舞台は地下に多層階で築かれた未来型都市。
式典の最中に地震が発生し、「目が見えず、耳も聞こえず、声も出せない」女性が孤立してしまう。主人公はドローン技術を駆使して救出に挑むが、彼女の様子にはどこか違和感がある。本当に目が見えないのか?ふとした場面で疑念が芽生える。
物語は閉鎖空間の緊張感と共に進行し、終盤には衝撃の展開が待っている。読後はゲームをクリアしたような達成感も!映像化にも向いていそうなどんでん返しミステリー。
仮面山荘殺人事件(東野圭吾著)
妻を亡くした主人公・高之が、義父の招待で山荘を訪れたことから物語は始まります。
義母や従姉妹らが集まる中、突如現れた強盗グループが山荘を占拠し、閉ざされた空間で殺人事件が発生。犯人は誰か、誰が強盗に協力しているのか。登場人物たちが疑心暗鬼に陥る中、真相は少しずつ明らかに。そして一件落着かと思われたその先に、予想を遥かに超えるウルトラ級のどんでん返しが待っている。どこか名作ミステリーへのオマージュを感じさせる、構成巧みな一冊。
ジェリーフィッシュは凍らない(市川憂人著)
“飛行船×連続殺人”という珍しい設定で描かれる本格ミステリー。雪に閉ざされた飛行船内で次々と起きる不可解な事件。そして地上では刑事たちが捜査を進め、さらには過去の物語も交錯する。三層構造で進むストーリーが見事に噛み合い、最後には一本の線に収束する展開に唸らされます。
後書きでも言及されているように、“正統派クローズド・サークル”型のミステリーで、密室もの好きにはたまらない一冊。そして、タイトルの意味がわかる瞬間──そのとき、物語全体の印象が一気に変わります。どんでん返し好きにおすすめ。
インシテミル(米澤穂信著)
「時給11万2千円」の求人広告に惹かれて集まった12人。
内容は“科学的実験の被験者”という曖昧なもの。舞台は密閉された地下施設、始まったのは殺人が合法とされるデスゲームだった――。他の参加者を殺せば高額報酬がもらえるという異様なルールのもと、心理戦と推理が交錯するスリリングな展開が待ち受けています。アガサ・クリスティ作品へのオマージュも込められており、本格ミステリーとエンタメの絶妙な融合。読みやすさと“えっ”という驚き、どちらも味わえます。
仮面病棟(知念実希人著)
病院を舞台にしたスリリングな密室ミステリー。
ある夜、ピエロの仮面をかぶった男が病院に立てこもり、医師の速水はその場に居合わせたことから事件に巻き込まれます。怪我を負った女性や看護師、院長などが登場し、誰が本当に信用できるのか…という疑念が膨らむ展開に。テンポがよく、ライトノベルのような読みやすさも魅力。グロ描写は控えめなので、ミステリー初心者やグロ耐性が低い方でも安心して読めます。終盤には「えっ、まさか…お前だったのか!」と叫びたくなるどんでん返しも。
感情を揺さぶる、深読み系ミステリー
読み終えた後にもじんわりと余韻が残る作品たち。謎解きのスリルだけでなく、「自分だったらどうするか」と考えさせられる深さも魅力です。文学性とどんでん返しが絶妙に溶け合った、心に響く物語を厳選しました。
わたしを離さないで(カズオ・イシグロ著)
外界から隔離された寄宿学校「ヘールシャム」で暮らす子どもたち。先生たちは授業だけでなく、彼らの生活や健康を厳しく管理。不自然なほど頻繁に行われる健康診断、制限された日常──この学校の本当の目的とは?
序盤から漂う不穏な空気が、やがて現実離れした“使命”として明かされていく展開は、静かな衝撃を残します。物語のトリックよりも「もし自分がこの世界の住人だったら」と想像せずにいられない、ディストピア小説。イシグロ作品らしい余韻が胸に残ります。
楽園のカンヴァス(原田マハ著)
美術をテーマにした極上のミステリー小説。ピカソの「ゲルニカ」に匹敵するとされる謎の絵画をめぐり、二人の専門家が知識と感性を武器に真贋を競い合います。
美術史に精通した原田マハさんならではの圧倒的な知識と情熱が随所に光り、絵画や画家への興味が自然と引き出される構成が魅力的。読み進めるうちに思わずネットで作品を検索したくなるほどの臨場感とリアリティも秀逸。最後にはミステリーとしての驚きの仕掛けも用意されており、芸術と謎解きが融合した傑作です。
重力ピエロ(伊坂幸太郎著)
張り巡らされた伏線と予想を超えるラスト──伊坂幸太郎らしさが詰まった、極上のミステリー。
仲の良い兄弟と、彼らを包む温かな家族。そんな日常のすぐそばで起こる連続放火事件と、現場に残された謎のグラフィティアート。絵に隠された規則性とは?犯人の目的は?テンポよく進む物語の中に深いテーマが織り込まれ、心に残る読後感をもたらします。家族愛、社会問題、サスペンス…が絡み合った、眠れなくなるほどの傑作です。
盤上の向日葵(柚月裕子著)
将棋界を舞台にした珍しい本格ミステリー。天才的な頭脳を持つ主人公・桂介は、事業で成功しながらも、将棋への情熱を捨てきれずプロ棋士としても名を上げます。
盤上の勝負と共に描かれるのは、幼少期の苦悩や、金を無心してくる父との確執。決して波風の立たない成功者に見えた彼の人生が、終盤にかけて思わぬ形で揺らぎはじめ、予想を裏切るどんでん返しが待っています。読後にはどこか重たい余韻が残る、イヤミス的魅力に満ちた一冊です。
ピース(樋口有介著)
埼玉の片田舎で起きた連続殺人事件。最初の犠牲者は歯科医、次はスナックのピアニスト。全く繋がりのない二人に捜査は難航しますが、第三の犠牲者が出て事態は急転。
犯人の目的は?共通点は?ヒントはなんと「タイトル」と「カバー」にあるという、巧妙な仕掛けが光る作品。油断しているとラストで見事に裏切られます。静かな田舎町を舞台に、著者の巧みさが冴え渡る、予測不能の一冊。

パレード(吉田修一著)
一見、平穏なルームシェア生活を描いた群像劇ですが、その内側には微かな違和感が。
若い男女がそれぞれの距離感で共同生活を送るなか、ある日「よそもの」の青年が加わったことで空気がじわじわと変わっていきます。連続暴行事件の報道が物語と重なり、不穏な気配がじわじわと立ちこめていく構成が秀逸。ラストは読者によって解釈が分かれるかもしれませんが、私は震えるような怖さを覚えました。ミステリーとしても、文学としても読める異色の一冊です。
心を揺さぶる心理サスペンス
登場人物の感情や心理にじっくりと迫る“心理サスペンス”を集めました。
一見、穏やかな日常に潜む違和感。登場人物の言動ひとつで読者の認識が覆るような、静かでスリリングなどんでん返しが待っています。心の奥に残る余韻を味わいたい方におすすめです。
爆弾(呉勝浩著)
「爆破予告の通りに爆発が起きる」──しかもその場所と時刻を完璧に言い当てる男、スズキタゴサク。
だが、彼は“犯人ではない”と断言する。警視庁の取調室で繰り広げられるのは、刑事たちとの緊迫した心理戦。
密室劇のように張り詰めたやりとり、巧妙な言葉の駆け引き、徐々に明らかになる真相。『このミステリーがすごい!』『ミステリが読みたい!』の2冠を獲得した実力作。“対話だけでここまで面白い”と感じさせる、異色のどんでん返しミステリー。
革命前夜(須賀しのぶ著)
音楽に魅せられ、旧東ドイツに留学した青年。ベルリンの片隅で仲間と音楽を学びながら、友情、恋、そして「東の革命」の足音に少しずつ巻き込まれていきます。
どこか空気が薄いような、独特の空気感。東欧らしい閉塞感と、それでも希望を求めようとする若者たちの姿が胸に迫ります。誰が裏切り者なのか──じわじわと疑念が膨らんでいく緊張感と、読後に訪れる“放心”はまさに一級品。
作者自身が本作をミステリーと捉えているかはさておき、スパイ小説としても心理サスペンスとしても絶品。静かに、深く心を揺さぶる一冊です。
監禁(秋吉理香子著)
忙しく働く看護師の由紀恵は、夫との間にすれ違いを抱えながらも、一人娘・舞衣子を大切に思い日々を過ごしています。
ある夜勤の日、娘の面倒を任せたはずの夫と突然連絡が取れなくなる。不安を抱えながら帰宅した由紀恵を待ち受けていたのは、思いもよらない事態。表題通りの「監禁事件」が物語の核心にあり、徐々に明かされていく事実に読者は息を呑む。
帯にある「戦慄のサスペンス」は誇張ではなく、終盤には衝撃のどんでん返しが待っている。緊張感が続く一気読み必至の作品。
何者(朝井リョウ著)
就職活動中の5人の若者たちを描いた、共感度の高い青春小説。
真面目で堅実なタイプ、意識高い系、尖った性格の持ち主、陽気なムードメーカー、そして冷静な語り手・拓人。彼の視点から物語は進んでいきます。
会話や振る舞いのひとつひとつが「こんな人いるよな」と思わされるリアルさで、登場人物の誰かに自分や知人を重ねずにはいられない。最後には、思わぬどんでん返しが潜んでおり、衝撃が残ります。大学生や若手社会人にもおすすめの一冊。
PIT(五十嵐貴久著)
スカッと決まるどんでん返しが魅力の一冊。
とはいえ、途中には思わず顔をしかめるような気持ち悪さや痛々しい描写も散見されます。あらかじめ同著者の『リカ』などで耐性をつけておくと安心かも。犯人の心理に迫る展開や、人間の深層を掘り下げる描写も見どころで、心理サスペンス好きにおすすめです。

容疑者Xの献身(東野圭吾著)
「ガリレオ」シリーズの中でも特に高く評価される一冊で、傑作ミステリー。天才物理学者・湯川と、事件の背後にいる天才数学者・石神との対決が軸になります。
物理や数学といった理系トリックが話題になることが多い作品ですが、真に心を揺さぶられるのは“人間の情”に踏み込んだ深い描写。静かな筆致で描かれる石神の覚悟と切なさに、多くの読者が胸を打たれたはずです。
テンポよく読める一方で、読み終えた後には長く余韻が残る。東野圭吾作品が初めての方にも、どんでん返し小説が好きな方にも強くおすすめできる一冊です。シリーズ未読でもまったく問題なく楽しめます。
読者の推理心をくすぐる本たち
鮮やかなトリック、仕掛けられた伏線、意外な真実。
読者の“推理心”をくすぐる作品を集めました。本格ミステリーのような構成の緻密さを持ちながら、エンタメ性や読みやすさにもこだわった作品ばかり。論理とひらめきの快感を、ぜひ味わってください。
硝子の塔の殺人(知念実希人著)
円錐型の“ガラスの塔”に集められた探偵、医師、霊能者、小説家たち。
大雪で外界と隔絶されたその空間で連続殺人が発生し、閉鎖環境ならではの心理戦と推理合戦が幕を開けます。
本作の魅力は、王道ミステリーへのリスペクトが詰まった“あるある”展開の数々。密室、動機の交錯、そして探偵たちの推理合戦と、ミステリーファンなら思わずニヤリとする演出が連発されます。そして終盤、すべてを覆すどんでん返しが炸裂。まさに、ミステリー好きのための“仕掛け尽くし”の一冊です。
叙述トリックや名作オマージュを探す楽しさも満載で、徹底的に遊び尽くした本格ミステリー。初心者からベテランまでおすすめ!
屍人荘の殺人(今村晶弘著)
一見ホラー風のタイトルながら、実は明るくテンポの良い密室ミステリー。
大学の推理研究会が訪れた山奥の合宿先「屍人荘」で、突如巻き起こる奇妙な事件。そして、まさかの展開とジャンルを超えたどんでん返しが待っています。従来のミステリーに“ある要素”を融合させた斬新な設定が話題となり、軽妙なキャラクター描写と大胆な構成が魅力の一冊です。タイトルの語感もなぜかクセになる。
終着駅殺人事件(西村京太郎著)
高校卒業後、上京した男女7人が久しぶりに再会し、故郷を目指す夜行列車の旅へ。しかし列車内で次々と仲間が命を落とし、旅は連続殺人の舞台に変わっていきます。列車は止まらず青森へ向かい続け、乗客たちは疑心暗鬼に。
名手・西村京太郎が描く、トレインミステリーの傑作。犯人の動機や真相は最後の最後で明かされ、読後はしばらく呆然。古き良き旅情と殺意が交錯する、まさに“レジェンド of トレインミステリー”。寝台列車で読んだら、きっと格別です。
凶鳥の如き忌むもの(三津田 信三著)
タイトルや装丁からホラー小説と思いきや、実は本格ミステリー。
山深い集落で起こる連続怪死事件を、風習や言い伝えとロジカルな推理の両面から追う物語です。横溝正史や京極夏彦作品に通じる“異界×論理”の融合は、好みの方にはハマること間違いなし。
クセ強めの文体と重厚な構成に負けず、論理で読み解く快感を味わってください。ホラーテイストの本格ミステリーを探している方に強くおすすめします。
模倣の殺意(中町信著)
日本ミステリー史に名を刻む“国産叙述トリック”の先駆け。昭和46年発表とは思えない巧妙な仕掛けで、今なお多くの読者を驚かせ続ける名作です。
作家・坂井正夫は、自作『7月7日の死』と同じ運命をなぞるかのように死亡。編集者・中田秋子とライターの津久見伸助が調査に乗り出し、犯人を突き止めて物語は終わったかに思えますが……ここからが本番。
“真相当て”に挑む構成は、読者への挑戦状そのもの。誰もが騙されるラストの一撃は、昭和の作品とは思えない見事さで、読後には納得と爽快感が同時に押し寄せてきます。叙述トリック好きは必読の一冊!
どちらかが彼女を殺した(東野圭吾著)
東野圭吾が放つ“読者への挑戦状”。犯人の名前は書かれておらず、ラストの推理は読者に委ねられるという異色のミステリーです。
妹を殺したのは、元恋人か、親友のカヨコか。復讐を誓う兄が真相を追う中で、冷静な警察官が登場し、捜査は二転三転していきます。スピード感のある展開で読みやすい一方、決定的なヒントは散りばめられており、読解力と推理力が試されます。
あなたは、真相にたどり着けますか?
プラスティック(井上夢人著)
「2024年 本屋大賞 超発掘本」の帯に惹かれて読み始めた一冊。舞台は30年前、フロッピーに保存された54本の謎めいたファイル。読者はそれを順に読み進めていくことになります。
はじめは主婦の何気ない日記のように見えるが、やがて時間の流れが歪んだり、他人が自分の名前で図書館を利用しているなど奇妙な記述が。言葉にしにくい違和感がじわじわと広がり、ついにはある衝撃的な真実にたどり着く。読後もしばらく余韻が残る、不穏で引力のあるミステリー。
眠れない町(赤川次郎著)
不眠に悩む住民が多発する団地を舞台に、体調不良や自死など不穏な事件が次々と発生します。
誰もが原因不明の不調に悩まされるなか、次第に浮かび上がってくる“町の秘密”とは?赤川次郎らしい軽妙な筆致ながら、展開は予測不能。ラストで明かされる“意外すぎる理由”に、ミステリー慣れした読者もきっと驚かされるはず。王道から少し外れたどんでん返しを味わいたい方におすすめです。
気持ちよく読める、驚きの物語たち
ドキドキもしたいけど、読んだあとに暗い気持ちになるのはちょっと嫌だな。
そんなあなたに贈る、読後にモヤモヤが残らない“やさしいミステリー”たちです。ユーモアや爽快感、ちょっぴり切ないけど前向きなラスト。ミステリー初心者の方にも、自信をもっておすすめできる作品ばかりです。
もう誘拐なんてしない(東川 篤哉著)
ユーモアと爽やかさが魅力の、珍しい青春系どんでん返しミステリー。
重苦しさとは無縁の軽快な文体で、テンポよく展開していくストーリーには、思わず笑ってしまう場面も。とはいえ、肝心のトリックはしっかりと練られており、真相にたどり着いたときには「なるほど」と思わされるはず。終盤には驚きの展開も用意されており、読後感も明るい。
読書に少し疲れてしまったときや、何か気楽に楽しめる本を探している人にぴったりの一冊です。
逆転美人(藤崎翔著)
「美人すぎて人生がめちゃくちゃになった」という女性の壮絶な自叙伝……と思って読んでいると、突如「後書き」が始まり、読者の思考が一気にぐらつきます。
「あれ?」となって前のページに戻る、また後書きに戻る……まさに“行って帰って”の連続。読者を翻弄する構造トリックと、前代未聞の仕掛けに完全にやられました。ネタバレ厳禁のどんでん返し系ミステリー。電子書籍化されていないのがよくわかる。物理書籍ならではの体験です。2度読み確実!
逆転泥棒(藤崎翔著)
「もう一度、最初から読みたくなる」──そんな快作ミステリー。
グロ要素はゼロ、軽妙な語り口とテンポの良さで、最後まで爽快に読めるどんでん返し小説です。
社会からドロップアウトしてコソ泥となったヨッシーが、偶然にも幼なじみ・タケシとその妻マリアの家に盗みに入ったことから物語が急展開。過去の因縁やすれ違いが徐々に明らかになり、やがて“逆転”が訪れます。
90年代~2000年代初頭のポップカルチャーがちりばめられており、当時を知る世代にはたまらないノスタルジーも。定説、ポケモン、MD、キョンキョン…懐かしワードにニヤリとしつつ、意外性のある構成に唸るはず。
逆転ミワ子(藤崎翔著)
何のつながりもなさそうな話が次々と登場し、最後にその意図=仕掛けが明らかになるという、ユニークな構成の短編集。
ひとつひとつの話がテンポよく、読みやすく、そして笑えます。特に、座敷童がやたらと女性に関心を示すくだりでは思わず爆笑。グロも暴力も少なく、弱っているときにも安心して読める藤崎作品の魅力が全開です。もちろん、どんでん返しも健在で、構成力とアイデアの鮮やかさに唸らされる一冊!
グラスホッパー(伊坂幸太郎著)
伊坂幸太郎の“ころし屋シリーズ”の原点とも言える記念すべき第1作。
『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX』『777』へと続く全4部作の入口でありながら、いきなり読者を物語に引き込む力が凄まじい。妻を殺した男に復讐するため、元教師の鈴木は伝説の殺し屋「押し屋」の行方を追う。背後からそっと押して事故に見せかけて殺す──そんな奇妙な殺し方をする殺し屋の存在とは?
さらに、無口な殺し屋「鯨」と、やたらと喋る「蝉」というクセの強いコンビも登場し、物語は一気に加速。テンポよく交差する視点と、先の読めない展開、そして絶妙などんでん返し。シリーズ全作読破したくなること必至!
マリアビートル(伊坂幸太郎著)
「グラスホッパー」に続く「ころし屋シリーズ第2弾」。舞台は東京発・盛岡行きの東北新幹線。降りたくても降りられない時速300kmの密室で、クセの強い殺し屋たちがぶつかり合うクローズド・サスペンス。
アル中で復讐に燃える「木村」、IQは高いが残酷な中学生「王子」、名コンビの「蜜柑」と「檸檬」、そして“最も運の悪いころし屋”「七尾」。それぞれの思惑と過去が交差し、車内は一瞬も気を抜けない戦場に。
一見バラバラなエピソードが巧みに繋がり、物語は疾走感あふれる展開へ。テンポの良さ、キャラクターの魅力、そして驚きのどんでん返し──まさにミステリー×アクション×エンタメの融合。読後の余韻もたっぷり。
AX(伊坂幸太郎著)
ころし屋4部作の第3作。今回の主人公「兜」は、恐妻家でありながら仕事では超一流のプロの殺し屋。家庭では妻に頭が上がらず、仕事では冷静沈着というギャップがなんともユニーク。
序盤から怒涛の展開でスリリングなミッションが続き、思わずページをめくる手が止まらない。伊坂作品ならではの洒脱な会話や伏線の妙も健在。そして本作だけは、シリーズ随一の“切なさ”が後半でじわりと心に染みてきます。
ミステリー、アクション、ヒューマンドラマが絶妙にブレンドされた、異色のどんでん返し小説。人を殺める男の、静かな愛情に心を揺さぶられるはず。
777(トリプルセブン)(伊坂幸太郎著)
伊坂幸太郎の殺し屋シリーズ、ついに完結となる第4作。
高級ホテルに“モノ”を届けるだけのはずが、次々に巻き起こる予想外のトラブルと、次々と現れる凄腕の殺し屋たち。布団のシーツを使った連携必殺技「モウフとマクラ」、吹き矢を操る謎の六人組など、個性豊かな暗殺術が炸裂。軽妙な会話と絶妙な伏線回収はもちろん健在です。
スリル、笑い、意外性、そして爽快などんでん返し──シリーズの集大成として申し分ない、最高にエンタメ度の高い一冊です。
死亡フラグが立ちました(七尾与史著)
テンポよく読める、笑い満載のライト・ミステリー。映画『ファイナルデスティネーション』のような“死の予兆”をテーマにしつつも、恐怖感は皆無。
むしろユーモアとツッコミどころ満載の展開が魅力です。登場人物がとにかく個性派ぞろいで、バナナで頭を打つ場面などコント的な笑いも。どんでん返しを期待するタイプではありませんが、ミステリー初心者や気軽に楽しみたい方にぴったりの一冊。シリーズ化を望む声も多し!
スロウハイツの神様(辻村深月著)
今回紹介する中で最も“優しいどんでん返し”を味わえる1冊。
脚本家の環と、作家やクリエイターたちが共に暮らす「スロウハイツ」というシェアハウス的空間を舞台に、静かに関係が変化していきます。新たな住人の登場をきっかけに、少しずつ空気が揺らぎ、やがて深い秘密が明らかに。心温まる日常の中に潜む伏線が、後半で鮮やかに回収される展開は圧巻。切なさや優しさが胸に残る、静かな傑作です。
名も無き世界のエンドロール(行成 薫著)
ドッキリ好きの青年・マコトが仕掛ける、一世一代の“大作戦”を描いた異色の青春ミステリー。男2人と女1人の三角関係を軸に、過去と現在を行き来するストーリーが展開していきます。
時間軸が頻繁に入れ替わる構成ながら、軽妙で洒落た文体が心地よく、読書疲れのときにもすっと読める作品です。衝撃のどんでん返しがあるタイプではないものの、ラストにかけてじんわりと心に残る真実が明かされ、独特の余韻が残ります。派手さよりも静かな衝撃を味わいたい読者におすすめです。
アヒルと鴨のコインロッカー(伊坂幸太郎著)
軽妙な会話、伏線の妙、そして切なさ──伊坂ワールドを存分に味わえる一冊。
殺し屋シリーズも魅力的ですが、どんでん返しの余韻が残る本作も見逃せません。バラバラだった出来事が最後につながる展開と、胸にじんとくるラストが印象的。伊坂作品の中でも特に完成度が高く、初読にもおすすめです。

同姓同名(下村淳史著)
登場人物全員が「大山正紀」という、奇抜すぎる設定で読者の心をつかむ意欲作。
物語は「大山正紀が大山正紀を殺した」という衝撃の一文から始まります。被害者も容疑者も、みんな“同姓同名”という前代未聞の構図。やがて、大山正紀という名前のせいで人生に苦しんだ人たちが集まり「大山正紀被害者の会」が発足。引きこもりの大山、エリートな大山、クセ者の大山……次々と登場する大山たちに、最初は混乱しそうになりますが、そこは作者の巧みな構成力で読みやすさをキープ。
ユーモラスでありながらスリルもたっぷりで、最後にはしっかりと“あっと驚く展開”が待っています。
残り全部バケーション(伊坂幸太郎著)
アウトローの溝口と岡田を軸にした連作短編集。個々の物語は独立しながらも緻密にリンクし合い、最後に見事な伏線回収が待っています。
時間軸は前後し、登場人物も交錯するため混乱しそうになりますが、そこが伊坂作品の醍醐味。軽快な文体でスイスイ読めるのに、気づけばジェットコースターのような展開に巻き込まれている感覚がクセになります。『ラッシュライフ』が好きな方には特におすすめの、技巧派どんでん返しミステリーです。
家族解散まで千キロメートル(浅倉秋成著)
崩壊寸前の家族が正月に集まった実家。その車庫にはなぜか盗難が報道された仏像が。
誰が、なぜ、どうやって? 疑問を抱えたまま家族全員で仏像返却の旅に出ることに。移動距離1,000キロ、、最後に明かされる「真実」が衝撃的。重すぎず、笑いもあり、どんでん返しの妙も味わえます。
どんどん橋、落ちた(綾辻行人著)
綾辻行人が放つ異色の中短編集。推理小説界に数多のトリックが生まれてきましたが、「この発想はなかった」と唸る斬新さが光ります。
どれほど集中して読んでも、99.9%は見抜けないトリック。作中にはちゃんとヒントがあり、フェアなのに見抜くことはまず不可能。読後には本を床に叩きつけたくなる読者も…(※あくまでも比喩です)。シュールで人を選ぶ一冊ですが、鮮烈な読書体験を求めるならおすすめ。

カラスの親指(道尾秀介著)
詐欺師として生きる中年男・タケが、あるきっかけから奇妙な共同生活を始める5人。ユーモアと哀しみが交錯する日常が進む中、次第に見え隠れする過去の影。
そして物語は、ラストに向かって驚きのどんでん返しへと雪崩れ込んでいきます。「親指だけが他の指と正面から向き合える」という象徴的なセリフが心に残る、優しさと切なさ、痛快さを併せ持つ感動のエンタメミステリー。道尾秀介の真骨頂が詰まった一冊です。

通勤・就寝前にぴったりの短編ミステリー
通勤中や就寝前、ちょっとした空き時間にミステリーを楽しみたい方へ。読み切りや短編集の中から、特に読後に“面白かった!”と感じられる作品を厳選しました。どんでん返し、心理戦、ほっこり、ちょっと不思議…いろんなテイストを少しずつ。気軽に読めて満足感はたっぷりの一冊が、きっと見つかります。
いけない(道尾秀介著)
どんでん返しが魅力の連作短編集。舞台は、どこか不穏な空気が漂う海辺の町。(私はジョジョの奇妙な冒険を思い出しました)
各章のラストに「写真」や「メモ」といった“画像”が登場し、その解釈によって物語が一変します。読者自身が“真相”にたどり着く参加型の仕掛けが斬新で、まさにミステリーの新境地。人間の欲や罪、闇を描いた物語はどれもゾクリとくる不気味さを孕んでおり、心理的な怖さもじわじわ効いてきます。そんな作品を求める方はぜひ。
満願(米澤穂信著)
2014年にミステリーランキング三冠を達成した傑作短編集。
全6編すべてが読み応えのある“どんでん返し”で構成されており、どの話も緻密で巧妙。表題作「満願」は、神仏に願いが叶うことを意味しますが、そのタイトル通り、読み進めるほどに深い納得感が残ります。米澤穂信らしい静かな狂気が漂い、読後感は決して爽快ではないものの、不快感もない絶妙なバランス。初心者から玄人まで満足できる構成で、1話目からグッと引き込まれます。
儚い羊たちの祝宴(米澤穂信著)
グロ要素ありの短編どんでん返し集。全5話すべてが「ラスト一行」で衝撃の展開を迎える、文字通り“フィニッシングストローク”の連続です。
上流階級のサロンや、文学サークルの内輪の世界など、どこか浮世離れした舞台設定も本作の魅力。気品ある語り口で油断させたのち、最後に鮮烈な毒を突きつけてくる構成が見事。ネタバレを知っていても楽しめるほど完成度が高く、どの話も終盤の一行で世界が反転します。米澤穂信の技巧が光る、静かで残酷な一冊。
透明人間は密室に潜む
久々に「これはすごい」と感じたミステリー短編集です。
各短編は有名な本格ミステリーへのオマージュを感じさせながらも、展開はその“斜め上”どころか“上空”へ飛び抜けていきます。ひとつひとつのアイデアが新鮮で、まさに現代の本格。さらに、それぞれの物語の後に添えられた「参考文献」まで楽しめる構成になっており、読後の余韻も深いです。特に2作目は、不意打ちの笑いが最高でした。知的で遊び心満載、ミステリー好きにはたまらない短編集です!
神の悪手(芦沢央著)
将棋の世界を舞台にした連作短編集。
帯には「このどんでん返しが切なさすぎる」とありますが、読後の印象はそれ以上に「意外性」と「完成度」。将棋を知らなくても読めますし、知っていれば細かな描写の妙がより楽しめます。師弟関係の葛藤や社会問題を背景にした物語、ほんのり怖いエピソードもあり、どれも読み応えあり。「あっ、そう来たか」と思わせるオチが心地よく、ミステリーファンには嬉しい短編集。静かに効いてくる“どんでん返し”がじわじわと沁みてきます。

ベーシックインカムの祈り(井上真偽著)
タイトルからは想像できない、ハイテク×どんでん返しの新感覚短編集。
DX(デジタルトランスフォーメーション)や最新テクノロジーを背景に、VR、遺伝子編集、AI社会などを舞台にした物語が展開されます。中でも、VRゲーム中に突然失踪する妻、遺伝子改良された子どもをめぐる騒動など、現実に起こりそうな設定がリアルで、どの話も意外性抜群。ミステリーとしての完成度も高く、近未来の“もしも”を考えさせられる、まさにSF的どんでん返し小説です。
看守の流儀(城山真一著)
刑務官という仕事に焦点を当てた、異色の短編集。
各話のタイトルは「ヨンピン」「Gトレ」「レッドゾーン」「ガラ売り」「お礼参り」と、業界用語のような言葉ばかりだが、そのひとつひとつに深い人間ドラマが展開されます。個々の話は緩やかに連関しつつ、それぞれ独立した重厚な物語。中でも「ガラ売り」は涙を誘う感動作!そして最後の「お礼参り」で描かれる驚きの真相により、読後には全体像が一変する。
もう一度最初から読み返したくなる一冊。
#真相をお話しします(結城信一郎著)
YouTube、リモート飲み会、マッチングアプリなど、現代の“あるある”を題材にした5編からなる短編ミステリー集。
それぞれの物語に巧妙などんでん返しが仕込まれており、日常に潜む違和感が次第に真相へとつながっていく。日本推理作家協会賞を受賞した「#拡散希望」はもちろん、リモート時代の盲点をついた「#三角奸計」なども印象的。荻原浩の『噂』が好きな人には特に刺さる構成で、短編ながら読み応えのある一冊。軽やかさと意外性を兼ね備えた、現代型ミステリー。

煙の殺意(泡坂妻夫著)
ミステリー好きの間で“ベスト短編集”と称される一冊。
収録作は8編あり、「椛山訪雪図」「赤の追想」など名作ぞろいですが、中でも表題作「煙の殺意」は圧巻。デパートで起きた大火災と、アパートでの怨恨による殺人事件が同時並行で描かれます。独立した事件かと思いきや、読み進めるほどに交錯していく真相。そして最後には「えっ、そこ?」と思わず唸るような意外すぎる動機とどんでん返しが。泡坂妻夫の技巧が光る、短編ミステリーの傑作です。
望郷(湊かなえ)
瀬戸内海の島を舞台にした6編の短編小説集。物語ごとに登場人物は異なりますが、どれも「島で生きる」という背景が共通しています。
湊かなえ作品らしく、それぞれに静かな“イヤな感じ”が滲み、後からじわりと効いてきます。たとえば、父を失った親子と、母を気遣うように訪ねてくる男――彼の本当の目的は?といった具合に、読後に余韻が残る結末ばかり。どの話も重すぎず、けれど確かに胸に引っかかる。湊かなえらしい短編集です。
ポストカプセル(折原一著)
“未来へ手紙を送る”という実在した企画「ポストカプセル」がモチーフの連作短編集。15年前に投函された手紙が、当時の恋人や家族、恩人、そして思わぬ相手に届くことで、現在の平穏が少しずつ崩れていく——。
手紙の内容は、プロポーズ、遺書、脅迫、受賞通知など多種多様。15年の時を経たことで意味が変わり、届いた相手の運命を大きく揺さぶります。現代の即時コミュニケーションとは対照的な“タイムラグのミステリー”が秀逸。
ラストで見事に裏切られる短編もあり、さすが叙述トリックの名手・折原一。短編ごとに異なる余韻が残り、まとめて読んでも、1話ずつ味わっても楽しめる良作です。
毒(赤川次郎著)
“ミステリーの登竜門”として赤川次郎作品に親しんだ方も多いのではないでしょうか?
本作は「バレずに人をころせる毒」がテーマの短編集。たった一滴で、誰にも気づかれず人を殺せるという薬が登場し、その存在を知った人々がそれぞれの思惑で毒を狙います。薬は手から手へと渡り、その度に新たな事件が…。倫理観を揺さぶるスリリングな展開と、赤川作品らしい軽妙な筆致のバランスが絶妙で、テンポよく読み進められる一冊です。昔懐かしい赤川節を久しぶりに味わいたい方にもおすすめ。

Rのつく月には気をつけよう(石持浅海著)
スタイリッシュな装丁そのままに、オシャレでスマートなミステリー短編集。
それぞれの物語に登場する料理とお酒が本当に美味しそうで、読むたびにお腹が減ります。日常に潜むちょっとした違和感が、やがて謎や事件へとつながる展開は石持さんならでは。軽妙だけどキレ味鋭い。ミステリーにグルメ要素をプラスした、ちょっと大人な一冊です。
タイトルの「Rのつく月」──その意味に気づいたとき、ある食べ物が食べたくなります。

Y駅発深夜バス(青木知己著)
どんでん返し、ホラー風味、鉄道ミステリー、ユーモア系、読者への挑戦状まで――バリエーション豊かな短編が詰まった一冊。とにかく「ハズレなし」で、どの話もきっちりオチが決まり読後感も良好。
エグさや重さは控えめなので、読書スランプ中の方や、長編に疲れた方にもおすすめ。西村京太郎的なテイストが好きな方にも刺さるはず。ライトながら技巧派、手に取って損はない短編集。
宵待草夜情(連城三紀彦著)
サディズム、マゾヒズム、エロス、そして時代背景が滲む男女の愛憎――連城三紀彦が描く妖しくも濃厚なミステリー短編集。
1編ごとに玉石混交の色気と毒気が満ち、読むうちに理性が溶かされるような感覚に。妖艶で耽美、怪しげな空気が全体を包み込み、心の奥をじわじわと侵食してくる名品です。純粋な推理小説としても技巧派ながら、情念の重さに圧倒されるはず。心して読みたい、異色の一冊。
邪馬台国はどこですか(鯨統一郎著)
歴史の常識をひっくり返す“異色の歴史ミステリー短編集”。中でも白眉は表題作「邪馬台国はどこですか」。九州説?近畿説?…いえ、まさかの場所に「どんでん返し」が待っています。
奇抜な説なのに、読んでいるうちに「もしかして本当に?」と納得してしまう説得力がすごい。ブッダは悟っていなかった?聖徳太子の正体は?といった他の短編も大胆かつ斬新。歴史好きにも、ミステリー好きにもおすすめの一冊です。柔らかく読めるのも魅力。
ボッコちゃん( 星新一著)
短編・どんでん返しの極致とも言えるショートショート集。機械仕掛けの美少女「ボッコちゃん」や、人間の欲深さを描く「おーい でてこーい」など、印象に残る名作が次々と登場します。
1話2〜3ページで読めるのに、鋭い風刺や驚きの結末が必ず待っている。世にも奇妙な物語、5分で読めるシリーズが好きな方には必読の1冊。読書嫌いな子どもでもハマる面白さが詰まっています。
ぶっ飛び設定がクセになる物語たち
物語の途中で世界が反転し、ジャンルすら変わってしまう――そんな異色ミステリーを集めました。サイエンス、オカルト、メタフィクション、宗教、超能力、タイムリープ…何が出てくるかはお楽しみ。ジャンルの境界線が曖昧になる“奇書”体験、味わってみませんか?
ガダラの豚(中島らも著)
カルト的人気を誇る異色の3部作。
1巻ではアル中気味の民俗学者を中心に、新興宗教・手品破り・テレビ業界など、カオスな登場人物が入り乱れる展開。
2巻では舞台がアフリカに移り、本格的な呪術の現場とその文化的背景が描かれ、スリリングかつ知的好奇心をくすぐられる内容に。
3巻はまさに超常バトルロイヤル。僧侶、超能力者、心理学者らのチームが最強の呪術師軍団と激突する怒涛の展開。社会風刺とブラックユーモアに満ちた、唯一無二の怪作です。ぶっ通しで読む価値あり。
クリムゾンの迷宮(貴志祐介著)
目覚めた男の目の前に広がるのは、見知らぬ赤い大地。記憶も曖昧な中、手元のPDAには「ゲームを開始します」の文字が。謎のルール、正体不明の参加者たち、そして生死をかけたサバイバルが始まります。
次第に明かされていく「このゲームの目的」とは何か。誰が敵で誰が味方か。登場人物たちの変化もリアルで、人間の本質がむき出しになる描写にゾクッとします。
バトルロワイアル×メイズランナーのようなスリリングな展開と、最後に待ち受ける一撃――。深く考えずとも夢中で読める、極上のエンタメ小説です!

アルカトラズ幻想(島田荘司著)
島田荘司の筆力が炸裂する、まさに“怪作”。
猟奇殺人ミステリーかと思えば、地球空洞説や金星の自転方向の謎に飛び火し、最終的にはアルカトラズ刑務所にまで舞台が移るという怒涛の展開。現実と幻想、科学とオカルトがごちゃ混ぜになったような超異色作で、島田作品ならではの力技が冴え渡ります。
読んでいて「これは一体どこに向かうんだ?」と思いつつ、ページをめくる手が止まらない。『フロム・ダスク・ティル・ドーン』のような映画が好きな方に強くおすすめしたい、ジェットコースター的ミステリーです。
一次元の挿し木(松下龍之介著)
200年前の人骨と、現代で失踪した妹のDNAがまさかの完全一致!?謎を追い始めた主人公は、やがて新興宗教やマスメディアを巻き込んだ闇に飲み込まれ、狂気的なサイコパスに命を狙われることに。
「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した話題作で、物語の途中に挿入される“ミノタウロスの逸話”も意味深で印象的。深読みのしがいがある一冊です。緊張感あふれるストーリーと独自の構成が魅力の、重厚系どんでん返しミステリー。
出版禁止(長江俊和著)
「心中」は純愛か、それとも殺人か?――この問いを軸に展開する異色のミステリー。テレビディレクターが、出版差し止めとなった幻の原稿を追う形で進行し、読者は疑念と混乱に満ちた世界に引き込まれていきます。
ある程度早い段階で“ある真相”には気づくかもしれませんが、それでもラストにはしっかりと驚かされるはず。巧妙などんでん返しが何層にも重ねられており、読後はどっと疲れるものの、妙なスッキリ感も味わえます。読んでいるというより「覗いている」ような不思議な没入感のある一冊。
黒い仏(殊能将之著)
想定の“斜め上”をゆく異色作。序盤は王道のミステリーですが、物語はやがてSFへと加速。
過去と現在を行き来し、空を飛び、ついには存亡をかけた戦いへ──もはやジャンルを飛び越えた一大スペクタクルです。
特に、途中で明かされる登場人物アントニオの正体には唖然。島田荘司の『アルカトラズ幻想』や、タランティーノ作品のような「型破りな仕掛け」が好きな人にはドンピシャ。クセになりますが、賛否両論も納得のカルト的傑作です。
そして誰も死ななかった(白井智之著)
「全員が○んでから物語が始まる」――この衝撃的なコピー通り、常識を覆す展開が待つ異色のどんでん返しミステリー。
孤島に集められた5人の作家、傾いた館、見立ての人形とおなじみの要素がそろいながら、読者の予想をはるかに上回る“何か”が襲います。ホラー、メタフィクション、ジャンル崩壊、そして唖然とする結末。賛否は分かれますが、“ぶっ飛んだ一冊”を探しているなら迷わずどうぞ。
七回死んだ男(西澤 保彦著)
タイムリープ系ミステリーの名作といえば、これ。1日の出来事が“7回”繰り返されるという特殊な体質を持つ主人公が、殺されてしまう祖父を救うため奔走します。しかし、犯人と思しき人物を遠ざけても、祖父は別の誰かに殺されてしまう……。
1回ごとに少しずつ状況が変わっていく中で、何が真相なのか?誰が本当の犯人なのか?タイムループと本格ミステリーが絶妙に組み合わさった構成で、読み応えは抜群です。
やや頭を使う展開ながら、タイムリープものが好きな方にはたまらない一冊。緻密に張り巡らされた伏線と、予想を超える真相に驚かされること間違いなしです。
恋に至る病
150人以上を自◯に追い込んだとされる謎の美女・景と、元いじめられっ子の主人公・宮嶺。
景はなぜか主人公にだけ異常なまでに優しく、甘えてくる――その理由とは? 胸くそ悪くなるようないじめ描写に一瞬ためらいも覚えますが、物語が進むにつれ張り巡らされた伏線が浮かび上がり、思わぬ真相に唸らされます。純愛か狂気か。ラストまで読んで初めて全貌が見える、秀逸などんでん返しミステリーです。
海外発・傑作どんでん返し・ミステリー集
世界の読者を虜にした翻訳ミステリーを集めました。
名探偵ポアロの活躍から、最新の社会派サスペンスまで──名作と呼ばれるには理由があります。どれも構成・トリック・キャラクターが秀逸で、読み始めたら止まりません。海外小説が初めての方にもおすすめです。
その女アレックス(ピエール・ルメートル著)
冒頭から全力疾走。誘拐された若い女性・アレックスが閉じ込められた謎の檻。その場所から、どうやって脱出するのか──読者の予想をあざ笑うような展開が待っています。
一難去ってまた一難、と思いきや、物語はまさかの方向へ転がり出す。先入観に揺さぶりをかけるどんでん返しの連続に、読んでいて息をつく暇もありません。本作は『悲しみのイレーヌ』に続く〈カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ〉第2作目ですが、単独でもまったく問題なく読めます。畳みかけるような構成で、読後は圧倒されること間違いなし。
衝撃の連続を求める方に、ぜひおすすめしたい海外サスペンスの傑作です。

グレイト・ギャツビー(村上春樹翻訳)
華やかな社交界と陰を帯びた愛――どこか夢のような物語の中に、じわじわと忍び寄る結末の予感。
語り手のニックは、大富豪ギャツビーと交流を深め、彼が従姉妹デイジーへの再燃する想いを抱き続けていることを知ります。彼女を取り戻すために開かれる豪華な夜会の数々。しかし、輝きの裏には切ない真実が隠されていました。ラストに訪れる意外性と虚無感は、ある意味「どんでん返し」とも言える構造。ミステリー的視点でも再評価されるべき古典の名作です。

アクロイド殺し(アガサクリスティ著)
英国の静かな田舎町で資産家アクロイドが殺される。現場に呼ばれたのは、引退したはずの名探偵ポワロ。
語り手は近くに住む医師・シェパードで、彼と共に事件の真相を追います。遺産、秘密、嘘、そして周囲の人々の怪しさが絶妙に絡み合い、読む手が止まりません。そして迎える驚愕のラストは、ミステリー史に名を刻む伝説の“どんでん返し”。ミステリー好きなら必読の一冊ですが、昔ファミコンの某名作推理ゲームをプレイした人は、先に気づいてしまうかも…?

オリエント急行の殺人(アガサクリスティ著)
世界的な名探偵ポアロが活躍する名作中の名作。
豪華列車オリエント急行の中で、富豪の男性が刺殺されます。容疑者は個性豊かな乗客たち。ポアロはそれぞれのアリバイを丁寧に洗っていきますが、全員に“完璧な”アリバイがあることが判明。では誰が、どうやって? そして、なぜ? ラストに明かされる真相には「これが許されるのか!?」と驚くこと間違いなし。推理小説の“常識”をひっくり返した歴史的一作です。

そして誰もいなくなった(アガサクリスティ著)
“どんでん返し小説”の金字塔。孤島の屋敷に集められた10人の男女が、童謡の歌詞通りに次々と殺されていく。疑心暗鬼が極限まで高まり、誰も信じられない状況で迎える衝撃のラストは、読者の想像を遥かに超えてきます。
ラストはタイトルの意味が胸に響き、「え?」としばし呆然とさせられるはず。多くの作家に影響を与えた“原点”にして、ミステリーの最高峰と呼ばれる一冊です。
米澤穂信『インシテミル』などオマージュ作品も多く、今読んでも古さを感じさせない構成力と緻密さはさすが。ミステリーファンなら必読のクラシック!

春にして君を離れ(アガサクリスティ著)
名探偵ポアロやミス・マープルで知られるアガサ・クリスティが描いた、心理描写に重きを置いた異色作。
旅行中に列車が立ち往生し、偶然ひとりになった主人公の女性が、自らの過去と向き合ううちに見えてくる“真実”とは。推理要素というよりは、人間の内面を抉るような物語であり、読み手によってはかなり怖く感じるかもしれない。ふと自分にも思い当たるような描写に、心が揺さぶられる一冊。静かに訪れるラストの「気づき」が、大きなどんでん返しとなります。

ミレニアム「ドラゴン・タトゥーの女」(スティーグ・ラーソン著)
単なるミステリーにとどまらない、社会派サスペンスの傑作。
舞台はスウェーデン。女性への暴力や、国家・報道機関の腐敗といった社会問題が色濃く描かれています。主人公は天才的なハッカーであり、過去に壮絶な被害を受けた女性リスベット。彼女の冷酷かつ容赦ない復讐劇と、ジャーナリストであるミカエルの失踪事件の調査が交錯し、物語は予想を超える深みへ。暗く重たいテーマながら、圧倒的な筆力で読ませる力作です。

カササギ殺人事件(アンソニー・ホロヴィッツ著)
作中作×どんでん返しという二重構造が魅力の英国ミステリー。
2018年に「ミステリー4冠」を達成し話題沸騰、アガサ・クリスティの系譜を感じさせる本格派です。田舎町で起こる殺人事件を名探偵が解き明かすという“作中の物語”を読んでいた編集者が、やがて現実の殺人事件に巻き込まれていくという仕掛け。ミステリー好きにはたまらない、伏線とどんでん返しの連続です。構想に15年を費やしたというだけあって、緻密な構成と読み応えは抜群。海外ミステリー初挑戦にもおすすめ。

ゴーン・ガール(ベン・アフレック著)
妻エイミーが突然失踪。疑われた夫ニックは真相を探るも、次第に浮かび上がる“完璧すぎる妻”の異常な計画。
予想を裏切り続ける展開、巧妙に仕掛けられた伏線、登場人物の裏の顔――読者の“常識”がどんどん覆されていく、究極のどんでん返しミステリーです。映画化もされた世界的ベストセラー。ミステリーの醍醐味を存分に味わいたい方におすすめの1冊です。
穴 HOLES(ルイス・サッカー著)
軽いえん罪で更生施設に送られた少年スタンリー。そこで彼に課されたのは、毎日“穴を掘る”という謎の労働。穴の目的は?掘る意味とは?現在と過去、そしてスタンリーの祖先にまつわる物語が交錯し、やがて点と点が驚くほど綺麗につながります。
児童書とは思えない傑作。子どもから大人まで幅広く楽しめる、隠れたどんでん返しの名作です。
古典や文豪作品に潜む“意外な結末”
ここに並ぶのは、“名作”の皮をかぶったちょっと意外な読み物たち。
教科書で読んだあの作品に、まさかのオチが? 読んだことがあっても、忘れていても、もう一度読むと驚くかもしれません。
五瓣の椿( 山本周五郎著)
病に伏しながらも家族と店を支え続けた父を敬愛する娘・おしの。母は放蕩を重ね、やがて父は無念の死を遂げます。
死をきっかけに明かされる出生の秘密——それを知ったおしのは、復讐の鬼と化し、ひとりまたひとりと仇を討っていきます。その枕元に一片の椿の花びらを残しながら。舞台は江戸、ジャンルは時代劇でありながら、胸を打つ人間ドラマとどんでん返しが待つ傑作。椿に込めた怒りと祈りが読む者の胸を刺します。
日記帳(江戸川乱歩著)
寡黙で内向的だった弟を亡くした兄が、遺品の中から見つけた一冊の日記帳。そこに綴られていたのは、弟と縁戚の女性との手紙のやり取り――まるで心を探り合うような曖昧な文通。
2人はいったい何を伝え合っていたのか? 兄が読み進める中で見えてくる、弟の意外な一面とその奥に潜む真実とは。わずか数ページの超短編ながら、江戸川乱歩らしい緻密な心理描写と静かな衝撃が光る佳作です。
蜘蛛の糸(芥川龍之介著)
地獄に堕ちた大泥棒カンダタ。だが彼は生前、一匹の蜘蛛を助けたことがあった――
それを見ていたお釈迦さまは、地獄の底に一本の蜘蛛の糸を垂らします。必死で糸をのぼるカンダタ、やがて他の罪人たちも群がります。善意とは?救済とは?その報いとは? わずか数ページの超短編ながら、宗教的な示唆や人間の業をえぐる名作。どんでん返しの直後に訪れる“何ごともなかったような”静寂が、不気味に余韻を残します。
方丈記(鴨長明著)
「行く河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」――この冒頭だけでも読む価値あり。
日本三大随筆の一つであり、無常観に満ちた名随筆です。地震・飢饉・戦乱に揺れる時代を生きた長明が、すべてを捨てて隠遁し、自然の中で暮らす中で見出した達観の境地。人生を見つめ直す機会を与えてくれる1冊です。が、「最後の章、最後の一文」まで味わうと、小さなどんでん返しが訪れるかもしれません。
徒然草(吉田兼好著)
鎌倉時代の大ベストセラー随筆『徒然草』からも、どんでん返し的な一編をご紹介。
出雲詣でに訪れた聖海上人は、神社の狛犬が互いに背を向けていることに「流石だ、他とは違う!」と感動。由緒ある理由があるに違いないと神官に尋ねると、返ってきたのはまさかの答え。格式と信心が空回りする、滑稽で人間味あふれる一話。日本人の信仰心や思い込みを、軽やかに笑い飛ばすセンスが光る短編です。
はじめてのどんでん返し
小さいころ読んでドキドキしたあの本、今読んでもやっぱり面白い!
子ども向けとは思えない“ラストの衝撃”や“仕掛け”が詰まった名作絵本&読み物を集めました。
少年探偵団(江戸川乱歩著)
明智小五郎シリーズの中でも、特に子どもたちに人気の高い1冊。主人公は、名探偵・明智小五郎の弟子である小林少年。驚異的な機転と行動力を武器に、怪人二十面相と知恵比べを繰り広げます。
大人の推理とはまた違ったワクワク感があり、少年時代に読んで探偵道具を真似て作った…なんて思い出が蘇る人も多いのでは?時代を超えて愛される、ミステリーの金字塔。懐かしの表紙カバーにもぜひご注目を。

目ん玉どろぼう(たかしよいち文・梶山俊夫絵)
「龍の目玉は金になる」と聞いた主人公は、酔っ払った龍から目玉を盗み、ガラス玉とすり替えます。ところが帰り道、目覚めた龍が激怒して追ってきて……!
逃げる主人公、迫る龍。スリル満点、そしてまさかの結末が待ち受ける“どんでん返し絵本”です。子どもの心をがっちりつかむストーリーと力強い絵で、本が好きになるきっかけにぴったり。読み聞かせにもおすすめの一冊です。
ねないこだれだ(せなけいこ著)
夜更かしをしているとどうなるか?という“しつけ絵本”の代表作ですが、単なる教育目的では終わらないインパクトがあります。おばけたちが現れ、「ねないこ」に忍び寄ってくる展開は、子どもだけでなく大人にもじわじわ怖い。
結末は衝撃的で、ある意味“どんでん返し”とも言えるラスト。トラウマになるほど印象に残る一冊です。読めば子どもはきっとすぐにお布団へ。大人の再読にもおすすめです。

最後に
どんでん返し小説って、本当に飽きないんですよね。読み終えたあと、「やられた~!」と唸るあの瞬間がたまりません。
今後も“驚き”と“伏線回収”を求めて、読み続けたいと思います。どれから読もうか迷っている方は、別記事で書きました私のトップ10を参考にしてみてください。

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本日も、最後まで読んで頂き、有難うございました。
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