ハサミ男( 殊能将之著)
タイトルを見るとジョニー・デップのシザーハンズ、キン肉マンのジャンクマン、クロックタワーのシザーマンのようなジョキジョキ野郎が犯罪を犯してと想像しますね。
もうだまされていますよ、語りたいけど語れません。この作品、映画化されているらしいのですが、どうやって撮ったの?嫌な予感(C級)がして観ておりませんがどうやって表現したんだろう。
ジェリーフィッシュは凍らない(市川憂人著)
かなり正統派のミステリー小説です。後書きに『そして誰もいなくなった』や『十角館の殺人』が比較対象というのか例として出ていましたが、私は島田荘司さんの『占星術殺人』も思い出しました。
事件の連続して起こる飛行船の中、地上で捜査する刑事達、そして過去の話、全てが噛み合って飽きません。表題の意味も最後に!
明治断頭台(山田風太郎著)
明治時代を舞台に、全ては繋がっていますが1話完結型のミステリー小説。主人公は国の中級幹部である川路と香月、そしてフランス人で霊能力があるエスメラルダ。サブキャラには岩倉具視・西郷隆盛・内村鑑三・福沢諭吉・山形有朋などなど。これだけ見るとB級感が満載ですが、どんでん返しという観点でとんでもない大作。
もっと「どんでん返し」の世界で話題になって欲しい作品。アマゾン4.2、ブックライブ4.6、知る人は知る!
そして誰もいなくなった(アガサクリスティ著)
どんでん返し小説の原点にして、最高傑作の1つだと思います。閉鎖された空間で連続する殺人、読み進めていくと最後は『タイトル』通り。え?あれ?となり、しばし唖然としました。
この作品にインスパイアされた作品(米澤さんの『インシテミル』等々)はたくさんありますが、やはり原点をおさえておくことも非常に大切!今読んでも全く色あせない古典的名作です。
ポストカプセル(折原一著)
こんなサービスが実際にあったんですね!とまずは思う‥投函してから15年を経たのちに相手へ手紙が届けられるというポストカプセルという企画。(万博か何かの時に実際にあったそうです‥真偽不明)
突然届けられる15年に前の手紙はプロポーズであったり、遺書であったり、礼状であったり、脅迫状であったり、文学賞の受賞通知であったり、その時に届いていれば何ともなかった手紙が15年を経た事で様々な問題を引き起こします。現在のリアルタイム社会ではなかなか想像しにくい作品ですが、さすが折原一さん叙述トリックの大御所!
模倣の殺意(中町信著)
昭和46年(かなり昔ですね)に書かれたという本作は、記念すべき日本初の叙述トリック作品らしいです。
作家の坂井正夫は、自作のタイトル(7月7日の死)通りの運命を遂げます。しかしながら、編集者である中田秋子とライターの津久見伸助が独自に調査を進め、最後に1人の犯人を特定し『見事フィナーレ!』のはずが、作者からの読者へ挑戦状が続きます、最後まで読むとすっきりした気持ちに!昭和46年の作品とは思えない‥
リバース(湊かなえ著)
嫌ミスの天才、湊かなえさんの作品。死んでしまった理由が「(良い意味で)それはないやろ!」だったのでこちらの「どんでん返し」にもインさせて頂きました。「告白」など重いものも多い中で、この作品は軽めのタッチかな。この理由だった場合‥罪には問われるものなのだろうか。
弁護側の証人(小泉喜美子著)
やられた!こんな手があったかー!!と感動しました
刑務所で面会する夫と妻の会話がプロローグ。真実を明らかにできる、何とかしてあげられる、その目途が立ったと伝える妻。そして、そこからは「元ストリッパーダンサー」であった妻の視点で物語が進みます。
やさぐれ生活、金持ちの旦那との結婚、嫁ぎ先での様々な出来事(いじめに近いできごと等々)そして殺害される義理の父親。ストリッパー仲間が紹介してくれた優秀な弁護士とのやり取り。来るぞ、来るぞ、と構え続けていたにも関わらずラストに近い章で「あれ?」となります。そして、期待を上回る「どんでん返し」!最高。
名も無き世界のエンドロール(行成 薫著)
ドッキリ大好き人間のマコトによる一世一代の大作戦でもあり、男2人と女1人の三角関係ものでもあります。時代があっちへいったりこっちへいったりでやや面倒ではありますが、軽妙で洒落た文体。「どんでん返し」度はやや低めかも知れませんが、読書疲れの時にはサラサラ読めてお勧めします。
魍魎の匣(京極夏彦著)
京極夏彦さんと言えばこの作品を挙げる方も多い超大作。狂気に満ち溢れた1冊でした。行方が分からなくなった処女と謎の施設、この関係性を想像できる方は世界に一体何人いるでしょうか?相当分厚いですが読みごたえもあり謎の施設の目的には唖然としてしまいます。
カラスの親指(道尾秀介著)
期待を裏切らないどんでん返しの連投・連発。最後の最後まで油断大敵!『お父さん指(親指)だけがどの指とも正面から向き合うことができるんだよ』 …私もみんなと真っ正面から向き合って頑張ります!
屍人荘の殺人(今村晶弘著)
全く暗くはなく、全く怖くはない、オカルト系の密室もの。 屍人荘と言う名前と音に惹かれて読みましたが、賞も取られた作品なんですね 本当にどうでもいい話ですが見た目と音が好き「単語」ランキングは 1位 墾田永年私財法 2位 西中島南方 3位 五稜郭 です。
ベーシックインカムの祈り(井上真偽著)
タイトルからは想像不可能 DXミステリー(どんでん返し)短編集。タイトルを見て「何これ?」と逆に惹かれて読んだ一冊、当たりでした。DXというか最新テクノロジーと言うのか、ハイテクどんでん返し小説です。
短編集ですが、VRを一緒に楽しんでいた妻が突然の疾走、園児に愛される外国人保育士(厳密にはインターン)の話、遺伝子改良人間の話、いずれもどんでん返し小説としてもかなり面白いですが、未来予想図ですね。
アルカトラズ幻想(島田荘司著)
圧倒的な筆力、奇天烈&奇想天外な1冊、この作者(島田荘司さん)でなければ書けない力技だと思います。
猟奇的な殺人事件を扱ったミステリーかと思いきや、地球空洞説に話が飛ぶわ、金星の自転方向がなぜ逆なのかに話が飛ぶわ、最後はタイトルどおりアルカトラズ牢獄へとんでもない1冊ですがジェットコースターに乗ってるみたいで楽しい!そしてラストも。怪作。タランティーノ映画(特にフロムダスクディルドゥーン)のファンには超おすすめ。
ガダラの豚(中島らも著)
3部作になりますが必読です。
まさにカオスの極致、1巻は、アル中気味の主人公と良識のある奥様・若い天才マジシャン・手品破りの異端児ミスターミラクル・個性豊かなテレビ関係者・新興宗教の教祖と心酔する主婦達が登場。
2巻は舞台をアフリカに移し、アフリカにおける呪術の現場を研究・撮影に向かいます。ストーリーも最高ですがアフリカにおける呪術の意味合い・何故効果が出るのかなどの学術的な話も非常に面白く一気読み。
3巻は呪術研究家+僧侶+超能力者+トリック破りのプロ+セクシー心理学者+少林寺+昆虫 VS 最強の呪術者+ラリって無敵の武道家+呪術者弟子+洗脳されてる軍団+アフリカの武器、ミステリー好き界隈でも最高傑作と押す方が絶えない3部作。ぶっ通しで読んでみてください。中島らも氏の衝撃作。
逆転美人(藤崎翔著)
ミステリー好きの皆様がこぞって絶賛するので読了しましたが完全にやられました。行って帰って、行って帰って、の2度読み必須!「美人過ぎて」不幸な目にあい続けた女性の自叙伝。重たいな‥と思っていたら突然、後書きが始まります。後書きの冒頭で「え?」となり自叙伝パートに戻り、後書きの最後にも自叙伝へ戻り‥
何をかいているのかわからなくなってきました…あっちへ行き・こっちへ行きがしたくなる作品で、仕掛けも過去に見た事がないです。これ以上は言えませんがミステリー好きの方にはおすすめの小説です。この作品は諸事情により電子書籍になりません。
噂( 荻原浩著)
最後の『一撃』は最強レベル!終盤でびっくりする作品は今回紹介する作品全てに当てはまりますが、最後の「数文字」でガタガタにひっくり返されるという意味では最強。全体的に重い展開ではない(?)ので、サクサクと気楽に読破できると思います。
グレイト・ギャツビー(村上春樹翻訳)
そんな終わりになるの?という点で「どんでん返し」「ミステリー」のカテゴリーに入れました。語り手のニックは、近くに住む大富豪のギャツビーと仲良くなります。このギャツビーはニックの従姉妹であるデイジーと昔、恋仲になっており、今も未練たらたら。
彼女を惹きつけるために夜な夜なパーティを開いています。見事、彼女の心を再び惹きつけ始めるのですが‥
medium 霊媒探偵城塚翡翠(相沢沙呼著)
ミステリー関係の賞、5冠(★第20回本格ミステリ大賞受賞、★このミステリーがすごい!1位、★本格ミステリ・ベスト10の1位、★SRの会ミステリベスト10の1位、★2019年ベストブック)の作品。
霊媒師である城塚翡翠と作家である香月史郎が主人公がタッグを組んで事件捜査を行う推理もの。途中途中に気持ちの悪い非常に短い描写が入り、これはいったい何なんだろうと思いながら読み続けていくと最後に「5冠」の理由が分かります。気持ち悪さはありますが、最後はスッキリ爽快、そんな小説が読みたい方へ。
レモンと殺人鬼(くわがきあゆ著)
第21回このミス大賞だから入れないわけにもいかずに記事化。二転三転四転五転はほんと楽しいandすごい技量!ですが 最後の会心の一撃がどんでん返しマニアとしては…少し惜しいかな。
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