年間200冊の読書を20年以上つづけている筆者が、今回はズシンと心の芯に響く「骨太」な書籍を記事化させていただきます。
読み応えのある、骨太な小説が知りたい!
と言う方に読んでいただければ嬉しいです。
正欲(朝井リョウ著)
ダイバーシティ推進・多様性の尊重・LGBTQ問題など、
「多様性やダイバーシティを口にできるマイノリティ」は「真のマイノリティからすれば守ってもらえるマジョリティである」という言葉は衝撃的。
口に出せない性的嗜好(水の流れ 風船などなど)が原因で常に世の中から疎外された思いを持っている人たち、私たちのまわりにもたくさんいらっしゃるんだろうな。
読後、様々な感情が揺さぶられたせいか良い意味でモヤモヤします。
告白(町田康著)
なぜ彼は大量殺人に導かれたのか?大阪でおきた「河内十人斬り事件」を題材にした、超大作。
周囲とうまくコミュニケーションが取れず、村の中でいじめの様なものにあっている主人公。徐々に徐々に積もってくる憎しみや憤り、
とにかく重い題材ですが、関西弁特有のユニークさも交えながら描かれているので決して暗くはありません。
強烈な一冊でした。
フェルマーの最終定理(サイモン・シン著)
最高の一冊です。
この本を読んでいたなら「数字」というものにもっと興味を持っていただろうな。
(解けないとされた数式)謎解きのワクワク感も一級品で全ては理解できませんがとにかくすごい!
川から海までの直線距離と、蛇行して海まで続く実際距離の比はπに近ずくなど‥ネタバレしたい雑学もあちこちに。
読書好きの皆様へ本気でおすすめします!
ダブリン市民(ジェイムズ・ジョイス著)
閉塞感が漂う、重く暗い昔のアイルランドの首都ダブリンを舞台に、 金持ちな人/貧乏な人/若者からお年寄り/男性も女性も、そこで暮らす市民達の生活や葛藤。そして、感情の麻痺を切り取った作品です。
難解な表現と共に、 歴史背景の知識不足もあり全てが理解できたのかどうかは分かりませんが、薄暗い天気のダブリンでもがきながらも生活する1人の市民になれました。重厚で骨太。じっくりと読書を楽しみたい方へ。
震える牛(相場英雄著)
『実際に起きた事件をベースにして書かれた社会派サスペンス』と言うのでしょうか?巨大スーパーの進出で衰退する地元商店街の問題、食品の偽装問題、そして腐りきった警察内部の事情などなど様々な観点から社会問題にメスが入ります。
純粋なドキュメンタリーは疲てしまいますが、こちらはあくまでフィクションの小説!エンターテインメント要素もあり、作者のチカラでどんどん読ませ、後半の畳みかけは圧巻。そして最後の余韻。震える。
流(東山彰良著)
舞台は台湾、土埃や汗が紙面にも染み出してきそうストーリー展開。
読む人を選ぶとは思いますが私の中ではベストの1つ。
(タイトルの骨太な感じ、一文字で「流」もめっちゃ好き)
熱源(川越宗一)
アイヌの矜持を描いた、骨太な叙事系小説です。
主人公の中にはアイヌ民族を歴史に刻むため「南極志願隊」にまで参加します。
アイヌの方々の名前やロシアの方々の名前が難しく、とっつきにくいかも知れませんが、北海道や樺太という寒い台地を舞台にした熱い、骨太の本。
宝島(真藤順丈著)
北海道の次は敢えての沖縄。戦後沖縄を舞台にした叙事詩です。
元気が出るというのか、不思議なパワーが沸いてくるというのか「熱量」が圧倒的な作品です。
米軍のキャンプ基地に命懸けで忍び込み、略奪する事で生きがいを見つける若者たち、そしてその最中に行方が分からなくなるリーダー。
それぞれの成長、別れ、対立、人間臭く生きる若者達を描いた大作です!
ヤノマミ(国分拓著)
骨太では唯一のノンフィクション作品。ブラジルとエクアドルの国境に原住民「ヤノマミ」を長期に渡って取材したノンフィクション小説です。
あまりの衝撃・迫力・臨場感・悲哀、そう言った複雑な感情がこみあげて来る超大作です。NHKのクルーに本当に心から感謝したい作品でした。
シャノボという仕切りのないドーナツ型(直径60メートル)の住居に住む150人を超える集団。男性の一部は何もまとわず、女性も伝統の赤い布を腰に巻くだけ。
人間は精霊となり最後には虫になるという世界観、子供が生まれた後、育てるか否かるかは母親1人が決める風習(否の場合は自ら手を下さい、シロアリの巣に捧げます)。
そんな社会にもヒタヒタと近づいてくる文明の音、徐々に崩れ行く彼等の価値観、とにかく凄かった。これぞノンフィクションの神髄だと思います。
レディジョーカー(高村薫著)
私のTwitterでは「名刺がわりの10冊」にもインさせている書籍。 読書に目覚めてしまったきっかけの一冊だと思います。(他にも色々ときっかけはこれかな?と思う作品はありますが)
あの有名な未解決事件(グリコモリナガ事件)をベースにした小説で、
『罪の声』など同事件を題材にしたものはありますが、高村さんが書いたこの作品の暗さと重さが良い。グリコ森永事件の解決はあと一歩だったかも
白村江(荒山徹著)
「白村江」という単語だけ(歴史の授業で学んだことを)覚えていましたが中身は全くおぼえておりませんでした。
蘇我入鹿、葛城天皇、高句麗、百済、新羅、唐。
ひたすら暗記する事に追われた学生時代ではなく、社会人になった今だからこそ歴史を読むと純粋に楽しめて本当におもしろい。
※冒頭の目を背けたくなる描写が厳しいので、苦手な方はそこを飛ばすことをお勧めします。
革命前夜(須賀しのぶ著)
音楽に魅了され旧東ドイツに留学した主人公。音楽との向き合い方、友人、恋、そしてにわかにせまってくる革命の足音。
東欧に特有の色が少なく、空気が薄い描写が個人的には大好きです。そして、
になりました。
利休にたずねよ(山本兼一著)
「日本」「和」ならではの世界観と美意識、
他の人よりも鋭くて優秀すぎると権力者からは疎まれる、今も昔も一緒ですね。
読後の余韻が長引く、すごい小説です。
私はこれを読んでから千利休がめちゃくちゃ好きになりました。
永遠の仔(天童荒太著)
児童精神科に預けられ、共に育った3人の子供たち。色々な思いを抱えながら大人になり「再会」することで始まるモノガタリ。
文章は読みやすく流石の作品!本の表紙は「表紙が怖いランキング」入れたくらいトラウマ級の怖さです~~
泥の河(宮本輝著)
高度経済成長期の昭和半ば。
河岸に住む貧しい家族と、更に貧しく小舟で生活する家族、その子供たちの出会いと別れを描いた作品です。
切なくて苦しくなる一冊でしたが、川が目の前にあるように情景が浮かび、登場人物の心の機微が手に取るよう分かる、これこそが作家さんの力かなと思いました。
読んでよかった。(骨太と呼んでよいのかどうか…ですがズッシリきます)
最後に
以上、こちらのランキングも30くらいまではいけそうです!
少しずつ更新してまいります。
本日も最後まで有難うございました!
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